このレビューはネタバレを含みます▼
母の訃報で地元に帰った橋屋綴が会ったのは見覚えのない従兄弟のソラ。頼まれると断れない性格で仕事を押し付けられることの多い綴はソラといる生活に安らぎを感じていきます。
読んでいるうちになるほど、とわかってくるところはあるのですが、はっきりと語られることはないです。「還る」とは「物・事・人が本来の場所・状態に戻る」ことをいうようで、必然のように綴はソラの元へ。ハーフのような容貌に縦長の瞳孔を持つソラの正体は察しがつきますが、それがどういう存在(実体あり?霊魂?神的な?)であるのかはわからず。でも、よかったなあという気持ちになりました。無駄な線のない硬質な美しさを持つ加東先生の絵がとてもいいです。
綴を気にかけていた友達とはどういう知り合いだったのかとか職場の人間と最後どうだったのだろうとかないのですけど、なんとなくスピリチュアル(霊的)なこのお話には合っていたのかな。そのあたりはものたりないような、これでいいような...雰囲気は好きでした。何度も読みたくなるかもしれません。
2020年1月 総179ページ 修正はトーン、白モヤ。