このレビューはネタバレを含みます▼
最近たくさん読んできたなか、これはとても好きだったので、こういうのが他にも読みたくて、そのために何が良かったのか考えておくためレビュー。
友達同士、でも通常の意味での友情があるわけではない。1回限りの女性を3Pで共にする仲。しかし、実は、攻めは受けに前から惹かれるところがあり(ここにひなこ先生らしく歪みある執着が見られる)、それと知られぬうちに外堀を埋め、距離を詰めていく。関係性が次第に変化する。そういうお話。
もともと近い存在で、気を許している2人。でも、片方がそれより先の関係(恋とか性とか)を欲したとき、叶うか、すべて失うか。どうなるか分からず、とてもスリリングなドラマが展開する。無理やりになにかするのではない。「こっちにおいで」とでも言うように、誘い込む。本作のいちばんの魅力はそこにあるような気がする。囲いを少しずつ狭めていって逃げられないようにする。狩りに似ている。じたばたする受けも大型の力強い獣みたい。その互角の闘いめいた関係性の書き換えゲームのなかで、ついに受けが屈服する感じが刺さるのかもしれない。それでいて攻めの方が「愛する」という仕方で仕えているかのようなところも。
親友ものとか幼馴染ものとかもあるし、王道といえば王道なのかもしれない。でも、この作品がすごく刺さるのは、「好き」なんて言葉だけではどうにもならなさそうなガチガチのホモソーシャルな文脈のなかにある関係から、どうやって恋愛、性愛の関係に着地するのか、それがBLで私がいちばん読みたいもののひとつだからなのだと思った。