このレビューはネタバレを含みます▼
佐々木さんのこのせりふがすべて。昭和の頃よりずっとマシではあるものの、未だに女性への性犯罪が軽く扱われているのがつらい、それを随所で思い知らせてくれる作品でした。この作品はちょっと事情が複雑だけど、レ◯プ被害者が被害を訴えることで二次被害にあったり、それを恐れて告発できない状態に追い込まれたり、そういう展開はどの作品でも腹が立ちます。メインテーマの少年犯罪より、そっちに気持ちが行ってしまいました。過去にそういう経験をした女性が読むのは苦しいかも(特に一巻と三巻。正直私は読み進めようか迷いました)。ただ、最後には家族やケンちゃんや河合さんと笑顔ですごしている主人公に、心底よかったね、と思える話でした。辛かったけど、葵ちゃんの手、ここにたどり着けてほんとうによかった。全編通していろんな役を一身に担ったお姉ちゃんがmvpですね。大好き。あとは小林さんとケンちゃんが癒しだよ…!ストーリー的には情報を小出しにして真実がじわじわ明るくなっていくのが、不謹慎にもめちゃくちゃ面白かったです。サスペンスとしても、作りが凄くうまいと思いました。最後に、先輩はもう少し報われてもいいと思う…。