スモークブルーの雨のち晴れ
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スモークブルーの雨のち晴れ

波真田かもめ

性愛のみではないLoveとLife

ネタバレ
2023年1月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんの言われるとおり、性愛だけではないラブとライフを感じさせる作品。38歳の二人だからこそのLove(敬愛の情)とlife(生き様)。決して平坦ではない人生の機微、誰にでもやってくるであろう老親との関わり。1巻の、病の果てに最期を迎える父親への久慈の献身。2巻での、離れて暮らす母に迫りくる老いに戸惑う吾妻。その淡々とした情景描写と、心理描写の巧みさに感涙です。身体を重ねる事で相手の言いようのない想いを感じ取り、受け止め、共有していく…
そんな二人の「名前のない関係」。それは誰も入り込む事の出来ない、深い魂の繋がりではないでしょうか。たゆたうような素敵な世界、後続が楽しみです。
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