終点は東京。【電子限定描き下ろし付き】
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終点は東京。【電子限定描き下ろし付き】

はやりやまい

穂村さんに共感し、高瀬さんの優しさに感動

ネタバレ
2023年2月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作者さん。同性愛者だとずっと隠しているリーマン、穂村さんが主人公。10代で性自認してから想う男性の背中だけを見続けた人生。本人は女性と付き合ったりして、あくまでも世間からはゲイである事を隠し続ける彼。

高瀬さんと手も繋がない、肩も寄せて歩かないそんな穂村さんの生き方にリアルさを感じました。そっとして置いて欲しい…という声もある中でLGBTQという新しい社会に、そんな風にカテゴリー分けをすると普通とは”違う”といつまでも言われてるとそんな風にも感じないかな?と思ったりする私は、あくまでも”友達”と神経質に隠し通す穂村さんは見ていて気の毒でした。
また自分を晒す事は怖い事で、高瀬さんの存在がこれ以上自分の人生の中で大きな存在になるのを恐れる気持ちには読んでいて共感してしまいました。

それなのに高瀬さんはちょっと違う。旅行中でもゲームをする所から少し世間の目を気にしない性格なんだろなと思われ…、性自認どころか「お前の事が好き」のそのお前が同性でも、だから何?と。
そんな高瀬さん。良いですね😩。だからと言って子どもっぽくなく、感情を出すのはちゃんと話し合っている時だけ。ゲームをしていても、穂村さんを見ている。想っている。

いや〜高瀬さん、紳士です。素敵✨
同性とか関係ない。世間やら何やらより、自分達が幸せになる事…それが一番大事。そんな価値観を持つ高瀬さんに、私も読みながらハッとしました。読んで本当に良かったと思った一冊でした。
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