茅花かす陽 【電子限定特典付き】
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茅花かす陽 【電子限定特典付き】

ミギノヤギ

花の“美しさ”と“おぞましさ”は紙一重

2023年2月1日
初読み作者様。良かった。ほんとに。ふわふわした暖かい気持ちで読み終わる。がどこか終始ゾクッとする感覚も。幻想的で他に見ないお話。繊細で柔らかい絵がこの幻想的なストーリーにより引き込む。「ヒバナ病」と言う奇病を患っている青年とその青年に片思いしている郵便配達員のお話。治療を目的に体を重ねる2人。優しい空気感に包まれて物語は進み。ラストへの流れも“愛”が完治に向かわせる美しく優しい物語。それと同時に。花を題材に美しさだけではなく裏腹におぞましさを合わせ持つ描写に。奇病と言う病に身の毛がよだつ。体から花が咲く奇病。花をまとっているメイはただただ美しかった。だが。その花はメイの体に根を張り抜けば体を傷つけ。枯れても体から栄養を奪い次から次へとおびただしく咲き誇る。それは美しくもあり不気味でおぞましくもあった。作者様のあとがきに花の美しさとおぞましさは紙一重なんじゃないかと。見事な描写とストーリーだった。
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