このレビューはネタバレを含みます▼
高校教師の西は、担任する3年生のクラスの生徒•葵田郁がいつも一人なことを気にかけています。昼休みに西先生がコンビニ弁当を食べようと校舎裏に行くと、葵田が一人で弁当を食べています。両親は海外勤務で、喫茶店を営む兄が作ったという弁当は、見た目も味もとても良く、それから西先生は毎日葵田と一緒にお昼を食べるようになります。やがて先生が夜もコンビニ弁当だと知った葵田は、喫茶店で夜に出す日替わり定食を食べに来ませんか?と誘ってくれます。出来立てのホカホカ定食はもちろん美味しくて、でも作っているお兄さんはなんだか愛想が悪いのでした。そして葵田が中学時代に出来の良い兄と比較されて辛い思いをし、それから他人と関わらないようにしていることがわかり、真っ直ぐな西先生が葵田が一歩踏み出す支えとなります。無愛想なブラコンの一兄とシナリオライター兼喫茶店バイトの戸坂が二人を見守り茶々入れする距離感が程良きでした。葵田が卒業してからやっとハグまでというゆっくりまったりのお話、お弁当も日替わり定食も作者さまが楽しんで描いているのが伝わってきます。