パパとぼくとかぞくになってよ【単行本版】【電子限定特典付き】
靴川
このレビューはネタバレを含みます▼
ひとりの人を守り育てていくこと。人間形成に大きく携わる親。本当に大変ですよね。こんなはずじゃないのに、もっとこうしたかったのに…常に自問自答しながらの育児と仕事と家事の両立。一人でなにもかもなんて絶対に無理です。借りられる手はなんでも借りて。それが子育てでは、親にも子にもいいのかと思います。が、人に甘えられない、自分が頑張らなきゃと思う翼の気持ちも分かる。ちゃんとやらないと、親として失格なのかも…とか、余裕ないと負のループに陥りますよね。とても空の子供感がリアルで、大人の顔色をうかがっていい子いい子してる子じゃなくて、ちゃんと子供で無邪気で、でも優しい心も持っていて、うんうんそうそう、と共感できました。シングルファーザーの実情も心理もとてもリアルなんだけど、それを支えようとする比呂がすごい！とてもできた人。優しいし、人の気持ちを汲めるし、包容力もあるし。翼と空二人を丸ごと守り支えていこうとする懐の深さ。人間性が半端ない。笑うことができなくなってた翼に笑顔が戻ってよかった。頑張り屋の翼と懐の深い比呂に育てられれば、そりゃいい子に育ちますわ。世のシングルで頑張ってるパパママにも、一人で頑張らなくてもいいんだよ。頼っていいんだよって言ってあげたくなる作品。たくさんの幸せが訪れますように…。そんなことを思えた、心温まるいい作品でした。やっぱ靴川先生好きだわー。
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