蟷螂の檻
」のレビュー

蟷螂の檻

彩景でりこ

本編→艶屋敷→アホエロパロディと一気読み

2023年2月5日
初読み作者様。話題作なので購入。従者・典彦×主人・育郎のお話し。昭和の旧家が舞台で金田一耕助が出張ってきそうな相関図ヤバめの一族。他に類を見ないほど典彦がサイコパスで常軌を逸した行動は天井知らず…虚ろな自由に溺れ、人でないモノの檻に囚われた育郎はハッキリ言って被害者。なんだけど、この2人に用意された舞台がもうこうなることを運命付けていたとしか思えない。肉体的な結末は理解しがたいけれど、これを精神的に捉えるとあながち理解できないこともない点がこの作品の魅力なのかな。もう一つ稀有なのはさち子さんの存在。凛々しさと逞しさを持ちこの作品では圧倒的良心として描かれており、これ程女性を応援したくなるBLも珍しいなと。決して明るい気持ちになれる作品ではありませんが一度覗いたら逃れられない。檻に囚われたのは私たち読者かもしれません…。現実世界に戻りたければ、読後はセルフアホエロパロディ『わたしの坊っちゃんがかわいすぎる』を読むことをお薦めします!
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!