月はみちかけケモノの恋【コミックス版】
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月はみちかけケモノの恋【コミックス版】

野白ぐり

最高のラスト!号泣必至

ネタバレ
2023年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLアワード2023ベストディープ部門ノミネートおめでとうございます。
昨年初めて読んだ野白ぐり先生、こちらも新刊で配信された時から話題になっていたので気になっていました。

狛犬の化身・狛×都会暮らしに疲れた青年・伊月。
ずっと何百年もひとりで過ごしてきた狛、伊月が祠にやってきて触れたので、もうひとりは嫌だと強引に関係を結びます。
伊月を守ると一緒に暮らすことになり、共に時間を過ごす中でお互いに癒しを感じるようになっていくストーリーです。
どちらもひとりぼっちだったところで出会い、お互いの存在がなくてはならないものになっていく過程が温かくて好きでした。
伊月のことが大切だからこそ、妖になってしまうかもしれない自分とは一緒に居れないと距離を置こうとした狛の愛も深いです。
そして、感動のラスト。
伊月が人間で、狛が人外だったということを改めて感じました。伊月は死ぬまで狛と一緒に居てくれて、伊月が亡くなってまたひとりになったけど、それまで感じていた寂しさとはまた違うと知ることができた。
一緒に過ごした時間が尊いものだったんだなと、この数ページで全てがわかる素晴らしい終わり方でした。
最後のセリフも、初めのセリフとリンクしていて素敵。
作者様の力量がこの数ページで発揮されていると思います。今後も先生の作品は追っていきたいと思います。
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