ひとりで夜は越えられない【単行本版】
」のレビュー

ひとりで夜は越えられない【単行本版】

松基羊

素敵なジムと優しい愛で包まれる征に幸あれ

ネタバレ
2023年2月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 確かに戦争やトラウマ、LGBTを扱っている割に、ジムや征のバックグラウンドの掘り下げが甘いかなとは思いますが、重々しい部分や切なさ、それなりの障害は描かれているしハッピーエンドで私は素敵な作品だなと思いました。
戦争によるPTSDでベトナム帰還兵が麻/薬に手を出さずにいられなかったのは有名な話。生きて帰ってきても自分も周りも幸せだと思えない、どこの国の、どの戦争でもあるように思います。征にそんな姿を重ねてしまいました。
ジムの優しい性格、穏やかで深い愛情、好ましいです。
残念ながら未だに様々なヘイトクライムはあるのが現実ですし、この時代なら尚更でしょうから2人の先は厳しいとは思いますが、だからこそ支え合って幸せ勝ち取って欲しいなと応援したくなるラストでした。
欲を言えば征がジムにトラウマを話し、乗り越えていく場面があればもっと良かったかなぁ。口に出来た時点でトラウマでは既にない、と昔聞いたことがあるので(うろ覚え、、、)。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!