愛の間に間に
」のレビュー

愛の間に間に

菅辺吾郎

愛の間に間に…歪な関係から生まれる愛

ネタバレ
2023年2月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 挑戦的な設定に1話冒頭から偶然の重なる展開に少し不安感もありながら読みましたが、読み応えあり結びにも大満足しています。リスキーなものを流されるままに楽しむ性質のハルが、なんでも吸収しようとする意欲に特別感を持たせる気遣い…と、意識の高い十四郎を引き返せないくらい好きになってしまう。三度のメシより出世が好きな十四郎の努力を無駄にしないためにも身を引くハルが冒頭からは想像できないくらい健気。妻の浮気相手とわかっていながら好きになってしまう十四郎の独特の感性も「こういう人なんだな」と思うごとに説得力があり、まどかは出世一番な夫の特別な存在であることを試していたかったのもわかりやすい。間男、夫、妻のそれぞれ歪な関係から生まれる愛。十四郎はハルには誠実で、結婚という結びに頼らず同等の地位を再度得て迎えにいく潔さ。ラブコメテイストで読みやすく、設定以上の面白さと良さのあるお話でした。
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