このレビューはネタバレを含みます▼
正反対な君と僕のタイトル通り、主人公の女のコは教室ではムードメーカー的な明るい存在。隣の席の谷くんは雑絡みする鈴木みゆに対していつも「すん」とした冷静な態度を取る物静かな男の子。そんな周りに流されないで自分の意見をいつも冷静に言う谷くんに憧れと好意を寄せています。今の高校生と昔の高校生を個人の感情無しで俯瞰して見ても、どうもこれは普遍的に変わらないらしい。誰だって好きな人の前ではキョドってしまうし上手く喋れないし会話も持たないし。それでも二人は色んなところが「違っていても」好きだなという気持ちは同じで。何回読み返してもみゆが周りの友達の前で「谷くんのことが好きなんだ」と告白するシーンは私の胸の内側で何かがポロポロと音も立てずに溶けていくような感覚を覚えます。もちろん、私も学生の頃好きな人に対しても友達に対しても「言えなかった」側の人間だったので。当時、言っても良かったんかな、と時々想うこともありますが、性格なんてそうそう変えられるものではないしね、と思ってしまいます。谷くんの冷静そうでいて内心喜んでいるところ。みゆの感情をぱーっと表に出して表現するところ。どちらも好きです。一漫画にありがちなハイスペックな容姿や性格なんて感情移入できないしむしろこんなふうに高校生らしい等身大な感じがやっぱり共感できる。