さよなら恋ヶ窪
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さよなら恋ヶ窪

波真田かもめ

アパートの階段下に転がるサボテンが繋ぐ恋

ネタバレ
2023年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 西武国分寺線•恋ヶ窪駅近くのアパートに住む杜拓人は、会社に行って帰って来るだけの生活を送っています。ある日飲み過ぎた杜くんは、お隣に住む春海冠の部屋で目を覚まします。人懐っこい春海さんは漫画家を目指していて、1年の半分は働いてお金を貯めて後の半分はひたすら漫画を描く生活をしているのでした。今の生活は不安だと言いつつ、一度した就職を辞めてまで夢に取り組む春海さんはなんだか楽しそうなのでした。春海さんの投稿作が完成し、また半年働く為に引っ越すという日、杜くんは会社を休んで春海さんと一緒に過ごします。春海さんは、アパートの階段下に転がるサボテンを毎朝起こしてやる杜くんを、優しい人だなとずっと見ていたと言い、その思いがけない言葉に杜くんは涙を溢し、春海さんがそっと口づけます。そのまま春海さんは引越して行きますが、再び恋ヶ窪のアパートに帰って来ます。恋にも人生にも真面目で真摯な二人が平凡な日常を光溢れる日々に変えてゆきます。駅近くの描写も随所に挟まれ、優しいストーリーにリアルさが加わっています。カラカラに渇いていた心を象徴する見捨てられたサボテンの存在が絶妙でした。
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