ぬるぬる宇宙人との邂逅 【電子コミック限定特典付き】
河合あめ
このレビューはネタバレを含みます▼
すごいの一言!
設定は奇抜なんですが、設定に振り回されず取りこぼしもない完璧な仕上がりです。
まずは人間の形になる途中のどろどろした状態の宇宙人を見ていても尚、その宇宙人とまぐわおうとするミツルの勇気を讃えたい(笑)
でも、宇宙人であろうがなんであろうが、その「人格」「中身」を見ている証拠であって、ミツルの人となりが見てとれます。
一番しんみりしたのは、子供が目覚めるのは100年後で、成長する姿は見られないとミツルが聞いた時。
それでも愛情をそそぐ姿。
そしてタローが、ミツルがなくなった後でも生き続けないといけないという事実。
でも、子供にミツルの事を話すよ、全部覚えてるから、と話したタローの心情。
タローが子供の出来方について正確な知識がなかったがゆえのシーンでしたが、ただの明るい鷹揚な性格だというだけでなく、ミツルを愛するのに長い長い人生(宇宙人生?)をかけているその一途さにグッときました。
取り残されたあとのタローはどうなるんだろうか、とか、一人で忘れ形見を育てるのか、とか、あの数ページのシーンに切なさや愛情、色んな感情がぎゅっと濃縮されていて、心が締め付けられました。
ミツルが無事サブローの成長した姿も見れ、共に生活でき、ほんわか、安心しました。
反対にあいじょうかくにん(笑)出来なくてしおっしおになっていくタロー(笑)
しあわせ、と言ったタローの姿、愛情の深さにきゅん、としてしまいました。
続編はあるのでしょうか?
二人(と子供とジロー達)の幸せな姿、もう少し見たいなぁ、と思います。
笑いあり、感動あり。鳩の王といい、奇抜な設定をしっかりと描きあげる作者様に敬意を表します。
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