このレビューはネタバレを含みます▼
現在配信されている10巻まで読んで、またかえってきました。
最初は、主人公と、彼を慕うアイドル好きの少女が「夢にまで見た本物」と出会い、繰り広げられるサスペンス劇かと思いましたが、いい意味でめちゃくちゃに裏切られました。
作品名も、すこし読み進めると「あ、そういう意味で?」と感心しきり。
中盤にさしかかるころには、初期キャラの印象は消え去り、芸能界の群雄割拠モノになっていきますが、それもまたおもしろい。
一度、消えかかった、もしくは完全に消えたと思ったキャラが思わぬ復活や成長をして、物語の幅が広がったり、ひとりひとりの「ルーツ」をソコソコ掘り下げていく過程もまた、おもしろい。
半グレ系の作品でも、そういうルーツたどりはあるけど「こういう環境だから、道を踏み外さざるを得なかった」的な、胸ク〇な言い訳ばかりが垂れ流されて辟易することがあるけど、この作品のキャラの掘り下げは本当に見事であると思う。
そして、圧倒的に、絵がカワイイ。青年誌に連載されているから、男性ウケを狙ってのことかと思わせるも、女性が見てもカワイイ顔立ちのツボを本当によく抑えている。
途中から、芸能界出世物語に、またサスペンスの要素が加わってきた。正直なところ、もうそこはいいんじゃないかと思うところもあるが、まだ実現していない「まさかの再会」のためには、そこのところも展開も必要なのかと思う。
アニメ化も、おかしなイジリをされなければ、大ヒットになるのではないかと。
将来、令和初期の大傑作のひとつにかぞえられるのは、確実。おすすめの作品です。