このレビューはネタバレを含みます▼
独白形式で構成されているのは「告白」と同じですが、こちらの方は少しだけ救いのあるラストになっていました。四人の少女たちに課せられた呪いの言葉が彼女たちのその後の人生を大きく狂わせていく。でももし被害者少女の死を悼み弔う気持ちがあれば呪縛に囚われることはなかったのではないかと思います。一番大切なことにもっと早く気づいていれば忌まわしい償いの連鎖はおこらなかったのではないかと思います。償えと迫った母親の気持ちも少しわかるような気がしました。でも本当に償わなければならなかったのは母親の方。あまりの皮肉さに鳥肌が立ちました。本当の悪人は誰なのだろう、「贖罪」とは誰のための贖罪なのだろう、彼女たちの15年は一体なんだったのだろうといろいろ考えずにはいられませんでした。最後は当然犯人の独白で終わると思っていたのですが、違いました。結局犯人の素顔ははっきりとはわからないままで、事件を起こすまでと真実を知ったあとの、相当苦しんだであろう犯人の苦悩にも触れたかったです。