コメディアンブルー【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
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コメディアンブルー【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

時羽兼成

BL+芸人モノとしての説得力

ネタバレ
2023年2月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 時羽先生はデビュー作から読んでいますが、このコメディアンブルーはお話が洗練されていて読みやすく、描きたいことがダイレクトに伝わってきて一皮剥けたと感じられる作品でした。個人的に芸人モノは表現が難しい題材だと思っています。特に引っかかりやすいネタ作り&披露パートですが、この作品では仕事描写・先輩や同期との関わり方・過去エピソードなどで少しずつリアリティを積み重ね、芸人らしさの表現をネタに頼りすぎないことで説得力を持たせています(ネタパートはさらっと読めるのでもしそこが合わなくても大丈夫だと思います)。それらに主役二人の恋愛、ひいては人生そのものを絡めていくのが本当に見事な構成で、過不足ない「芸人BL」になっていました。二人にとって芸人としての関係性と恋愛的な関係性は不可分、というところも無理なく丁寧に描かれています。画力の高さとエモーショナルな演出、キャラの良さは細かいところまで楽しめました。特にメイジと福砂のイチャイチャ(?)中にストロー使わずグラスに口つけて飲む六花、雨の日のサンダルはめちゃ走りづらいのに六花のためひた走る福砂とか好きです。六花かわいい。メイジさんも良いキャラだったのでスピンオフ読みたいです。 全211P、表題作+描き下ろし5P(初夜の続き)、シーモア限定2P(2話の子…!)、カバー下2P(設定画とエピローグ漫画、おめでとう!)。
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