このレビューはネタバレを含みます▼
前後編併せて60頁の短編です。元教師の児玉は飲んだ挙句に目覚めてみると元教え子の真嶋宗司とホテルの一室にいました。高校時代は生意気さで目立っていた真嶋は児玉の担当する現国の授業中も大抵寝ていて、でも指名するときちんと答えていました。そんな真嶋は連絡先を教えてくれなかったからと、児玉が手伝う実家の酒屋にやって来て一緒に配達を手伝うのでした。やがて偶然から児玉は自分の思い違いに気が付きます。かつて児玉が授業で扱った小説の一節と、その時の児玉の言葉がタイトルに繋がります。エロ無しで短編ならではのスカッとした切り口で描かれるのは卒業して4年後に訪れる春のお話です。