前世処刑された悪女なので御曹司の求愛はご遠慮します
月城うさぎ/唯奈
このレビューはネタバレを含みます▼
可もなく不可もなく、といった内容で、大きな破綻も無いけどそれほど面白いわけでも無いと思います。
似たような設定(ヒストリカルな前世の記憶があって、現代日本に生まれ変わったヒーローとヒロイン)のラノベは何作か読みましたが、私の慣れもあるかもしれないけど特に目新しいものも無く、むしろ他作品より前世の必然性が低いなと思いました。全体を通して、前世の記憶は必要と言えば必要なのでしょうが、現世への反映が足りないので、肩透かしをくらったように感じてしまいます。もう少し踏み込んで前世との関連性を描けていたら、今より面白くなったかも。現世でのふたりの関係は、リゾートラブも含めてそれなりに面白かったと思います。だから下手に前世がどーのこーのと入れるよりヒロインの不幸体質一本で話を進めたほうがスッキリしていたようにも思います。前世のヒーローの正体も、だから?って感じで。前世で唯一ヒロインの内面を愛した人物ということなのでしょうが、前世で恋人だったわけでもヒロインを冤罪から救えたわけでもないのだから、現世で新しい関係を築けば良いのに、ヒーローが現世においてヒロインの前世を確認するためのゆさぶりをかける必要があるのか、疑問です。ゆさぶられることでヒロインはヒーローを避けることになってるので(それはヒーローも推測できたはず)、なぜそうするのかもう少し踏み込んで描いて貰わないと、何だか不完全燃焼でもやもやしてしまいます。ヒーローはヒロインを見初めて、既にあれこれ外堀を埋めているんだから、別に前世がどうだろうと関係ないのでは?前世が違ったら愛せないと言うわけでもなく、本当にヒロインが欲しいのなら、ふたりがきちんと信頼関係を培ってから確認しても良いと思うのに、なぜそうしないのか?私がそれを読み取れてないだけでしょうか?こちらの作者様の作品は何作か読んでいますが、イマイチ必然性が分からない登場人物の言動が時々あって、すごく残念です。私の読解力の無さが原因かもしれませんが。
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