裏切りの騎士は愛を乞う
」のレビュー

裏切りの騎士は愛を乞う

春日部こみと/岩崎陽子

感動のラスト

ネタバレ
2023年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ いじめられている王女様と他国から来た護衛騎士の物語。
お互いに大切と思っているものの、結ばれてはいけないとも思っているのでじれじれ。だがそこがいい。ストーリー展開も、王道と思いきや意外な方向へ行き、ラストはカタルシスすら感じるほどのスッキリとした所に着地して完璧な流れになっている。
特筆すべきは、お互いが騎士と王女から脱しようとしない点で似たもの同士だということ。すでに主従関係として完璧な二人で、恋愛関係でなくとも安心して見ていられる可愛い二人。
そんな二人が恋愛に踏み込んだらどうなるか、というのが事細かに表現されていて、主従ものとしては新鮮でした。
また、海を見に行くという約束やお守りとなる貝殻が要所でいい味を効かせていて小憎いところ。ストーリーの核ともいえる部分で、最後まで読んで「そう来るか」と感動しました。
泣けます。
崇高な主従ものに身悶えしたい人には間違いなくオススメです。誰にでも読んで欲しいソーニャ作品だと思います。
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