このレビューはネタバレを含みます▼
アーミッシュについて初めて知りました。宗教、セクシャリティ、家族との関係性…。人が生きていくための根本的な要素が物語のベースにあり、それをふまえて、"自分の生き方は、誰にも咎められず自分自身で決めていいんだよ、自分らしく生きているあなたを心から愛しています"というメッセージを強く感じる作品。
とても文学的な内容で、トレヴァーの手記を軸に現代と過去を行ったり来たりしながら進むストーリー展開は、さながら長編映画のようでした。
故郷を捨てた自分が、一体何に成り得たのかを悩み続けていたジーンが、彼と関わった人々の心を溶かし、みんなから愛される唯一無二の存在になっていたことに、涙腺が崩壊しました。
甥っ子ジーンの名前に託された家族の思いや、トレヴァーがジーンの門出に送ったスーツケースなど、伏線回収も存分に楽しめる作品です。
2巻完結ですが、読みごたえたっぷりです。
(小冊子が読みたくて、2巻はこちらの特装版を購入しました。18ページでジーンとトレヴァーのその後の様子が描かれています。Hなし、家族ぐるみのほのぼのした内容でした)