ラベルド・タイトロープ・ノット retie 【電子限定特典付き】
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ラベルド・タイトロープ・ノット retie 【電子限定特典付き】

緋汰しっぷ

「ラベルド タイトロープ ノット」〜その後

ネタバレ
2023年3月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本編〜その後の夏生と榛臣の物語。

始終甘い2人の蜜月の様な物語でした。榛臣が夏生を焦がれる気持ち、そしてそれを受けて夏生が榛臣を愛おしいと想うその時の情事描写…上手い!。大人な恋愛だなぁとため息でした。そしてやはり…というか当たり前ですが、前作でお世話になった猪塚さんは出てくる事はなく、時計もサパッと夏生が新しく買ってあげてしまい…。榛臣はその時猪塚さんを思い出したかどうかは分かりませんが…猪塚さん推しの私としては少し淋しい展開でした。(猪塚さん…😩)家族へのカミングアウトや夏生の紹介などなど…榛臣のバックグラウンドも知れて、満足な一冊でした。

個人的に思った事ですが、夏生が本社から海外転勤の打診を受けたのに榛臣と離れたくない、という理由でそれを断った件。そのエピソードを読みながら色々と考えてしまいました。もし榛臣に何かあった時、直ぐ側に駆けつけられる距離にいたい…と夏生。海外に興味はあるけれどそこを思ったら行けないと。
30代、ある意味最後のチャンスで、この時期の働き方で40代の働き方が変わる。何故夏生が海外転勤を断ったのだろうと思ったら、それは榛臣のビザの問題だったのかな?と。榛臣自身も単身夏生を追って行くとしても、どの形のビザでも夏生と同じ期間のビザを得るのはなかなか難しいのかも知れないのかなと。
色んな議論がありますが、行政的な手続きの面で考えると同性婚が認められていたなら、榛臣が夏生のパートナーとして家族としてビザが降り…2人の未来はまた違った形に(物語も違った形に)なったんだろうなと思いました。転勤するパートナーの家族だと、榛臣は出来る事も限られる所はあるかもしれませんが、現地で何かを学べる機会はあったのかな?と。

近い未来こんな時もあったねと、そんな風になったら良いですね。 好きなシリーズです。
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