僕等がいた
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僕等がいた

小畑友紀

不思議な魅力

2012年12月13日
不思議な魅力がある作品です
【わからないオレもアリじゃない?】という矢野のセリフ通り、何を言いたいのかわからないのもアリじゃない?と思わせてくれました

本当に等身大
キャラと作品が一緒に迷ってしまっているのがわかるし、不安定でバランスも悪いけれど、そこがいい
一緒に成長しているのがわかるので、見守れる

①奈々さんを引きずる矢野&七美で青春モノ→例)天使なんかじゃない
②アキちゃん視点で始まる、矢野&山本さんの共依存モノ→例)エヴァンゲリヲン
③矢野を失った竹内くん&七美の葛藤モノ→例)潔く柔く

これが全部入ってしまった上、1年以上連載休止(12巻あたり)しているので、後半はバランスの悪さが更に増しているし違和感も強いけど、後半の方が圧倒的に面白い

メインキャラの矢野、七美、アキちゃん、竹内くん、山本さん…
全員に個性があるので、どの視点から読むかで作品の印象は変わると思うけど、みんなガンバレと応援したくなります
キャラが互いの幸せを願っているから?

あと好き嫌いを言いたくなるのは、それだけキャラに魅力や人生を与えているからだと思います
竹内くんと山本さんはストーリーに育てられたキャラだと思うので、矢野や七美より魅力があったのかな?
竹内くんはいるようで実在しない、矢野はいないようで現実にゴロゴロいる…
少女マンガならこの二人は逆じゃないかと思いました
いやほんと、竹内くんみたいな人がいたらよいのにw

すごいと思ったのが水彩画のようなジャケの表紙が矢野と七美の高校時代に一貫しているところ
淡い記憶や思い出がピントのずれた写真で抽象している
これが計算だったらヤラレタ!

この作品で一皮むけた作者さんの、次回作に期待したい
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