ハイスペ男子になつかれています
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ハイスペ男子になつかれています

茶野まめこ

神田がおしい

ネタバレ
2023年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵が綺麗で見やすかった。お話は既視感というか先が読める感じはあったけど「受けを溺愛する攻め」の設定が好みなのでとりあえず続きを楽しみに待とうかな。

◇学生の頃ゲイバレしていじめに遭っていた航平が当時の元凶(神田)と再び関わる羽目になり、利用されて困っているところに蒼太が現れて……っていう流れなんだけど、そろそろこういう「セクシュアリティをネタに脅す」みたいな感覚がピンとこなくなってきてるからシチュエーションの作り方が少し古く感じるかも。

10年くらい前ならまだLGBTを忌避する風潮に現実味が残ってたけど、今の感覚では神田が「世渡り上手のクズ」じゃなくて「時代錯誤の異常者」にしか見えない。
コミュニティが狭く画一的な価値観に左右されがちな田舎や学生の話ならいいけど、コンプラコンプラ言われてる社会人の設定では神田の振る舞いがあまりにも愚かで敵役としてザコすぎた。神田みたいなキャラは自分が損するような振る舞いを避ける方がしっくりくる。

航平がザコ敵相手に無抵抗で泣き寝入りしてるのも謎で「もっとやりようあるじゃん…」と思ってしまい感情移入しにくい。
神田にはただの腹立たしいザコじゃなくもっと隙のないやり方で解決困難な状況を作る役目を担ってほしかったし、そこで蒼太のハイスペを発揮させ神田を撃退すれば蒼太のヒーロー感が分かりやすく、航平が惚れる理由にも説得力がついてよかったと思う。

◇その点では(作家さんが巻末で触れてたけど)蒼太のハイスペ感が全く発揮されておらず、1巻だけではタイトルと内容が合ってない。作中イケメン扱いされてる割には髪型が特殊でイケメンに見えず、仕事できる評価の割にデキる感じの描写がなく、唯一披露したのは御曹司の立場を使った旅館利用くらい。なので今のところ七光り感しか分からないです。笑

◇番外編、私が猫好きのせいなのかめちゃくちゃ苦手だった。人間が猫化したり獣人?で性描写があるのは平気だけど、"猫を擬人化した性描写"がダメなんだとこの作品で自覚した。勉強になりました。シリーズの別作品として本を分けて扱ってほしいな……TT
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