滅びの前のシャングリラ
」のレビュー

滅びの前のシャングリラ

凪良ゆう

最期に見つけたもの

ネタバレ
2023年3月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 世界が滅びるまでの1ヶ月間を四人の登場人物たちがどう生きたのかを描いた作品で、終焉の時を迎える直前で完結となっているのでとてもしんみりとした読後感でした。毎日に生きづらさを感じていた彼らが、世界が滅びる間際になってようやく自分の居場所を見つけささやかな幸せを手に入れる、最期の最期に見つけた「ユートピア」は切なくてとても温かい世界でした。たとえ世界が滅亡してしまってもいつかどこかで新しい生命が誕生するのでしょう。銀のスプーンを持った赤ちゃんの表紙はそんな未来を連想させてくれます。可愛らしい表紙だなと思っていましたが、読み終えてみれば幸せとは何か、家族とは、未来や希望そして生命とは。たくさんのメッセージが込められているように思いました。
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