初恋は懐かない【電子限定描き下ろし付き】
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初恋は懐かない【電子限定描き下ろし付き】

篠崎マイ

強すぎる感情は人を臆病にするのか…

ネタバレ
2023年3月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 篠崎先生の作品のどこか仄暗い雰囲気が好きです。仄暗いというと“病んでいる”とか“闇”と思われるかもしれませんが、そんなことはなく…もないかな…ある意味病んでるのかもしれない。でも読んでいるこちらまで侵食されそうな苦い読後感はなく、物語の雰囲気の決め手となったり拗れの要因となる、ちょうどいい塩梅で。本作もそう。受けはいたって普通。主人公としたらキャラが立ってない?ってくらい普通。でも、すごく共感できる。面倒なことにフタをして、波風たてず穏やかに日々を過ごしていきたい…わかるぅ~対して攻めは私にとってすごく不思議ちゃんでした。ほわほわしてて掴みどころがない。超絶イケメンだし、お金ありそうだし、優しくてエチもウマイ。でもスパダリかというと、そうでもない。特定の恋人はいなくて、相手をとっかえひっかえ。でもチャラいかといえば、そうではない。ナゾ…そのナゾの原因は中ほどで友人の言葉で明かされ、最後にも描かれていますが…そういうことねー。うん。やっぱり優しい子でした。優しすぎて拗らせちゃったんだなー。悟(受)が恋人を寝取られかけたのに憎めなかったのも分かる。ホントに優しい、いい人なんだもの。だからこそ相手に求めてはいけないと…。そんな2人なので毒がない。スパイス的にあと一滴の毒があれば…最高でした!晴れて両想いになってイチャラブなとこに当て馬登場で拗れる続編とか…あったらいいな!
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