3番線のカンパネルラ
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3番線のカンパネルラ

京山あつき

店長のアプローチがよき

ネタバレ
2023年3月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく繊細というか、気持ちの襞を丁寧に辿っていく作品。決して起伏が大きい物語ではないけれど、読んでいると気持ちが動かされて読み応えがありました。物語が進むにつれ、その人の裏側や隙が見えてきて、クスッとさせられます。リーマンものとか、ノンケ攻めとかカテゴライズできなくはないけれど、してしまうと作品の雰囲気が伝わりづらくなる不思議な作品。

1回目読んで、2回目読み直して、店長のアプローチの仕方がすごくよいなあ、と思いました。明らかに繊細な気遣いをするタイプではなさそうですが笑、主人公への関心がストレートに表れています。自分の気持ちに素直に行動したらこうなった、という素直さ。主人公の、一見飄々としているのに、内面は繊細で重くて泣き虫な様子と対照的で、よい組み合わせだなあと思います。

カンパネルラのお役目を背負った高校生の彼が物語のよいアクセントになってるなと思いました。彼の物語も読んでみたいです。
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