犬と屑
」のレビュー

犬と屑

朝賀庵

犬と屑のタイトルが深い‼︎

ネタバレ
2023年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ はじめは"犬と屑"って、陽真と秀司のことを指してるのかと思ったら、登場人物全員のそれぞれが犬であり屑だったのが深かった!

陽真は、秀才で努力家!でも、秀司の才能に嫉妬し、秀司何か...と思いつつ溢れる幸せの恩恵を得てることに気がつかない犬。

秀司は、持ち過ぎるが故の渇きに葛藤しつつ、陽真が持つ沢山の感情を、陽真というフィルター通して感じる感情で心の渇きを癒してる屑。
"自分の持ってるものちゃんとみろよ..."
陽真も秀司も自分の持つ才能に価値を感じれずにくるしんでいるのが、このセリフでよく伝わってきました!

麗香も秀司が欲しかったわけじゃなくて、"幸せになった自分"が欲しかっただけ。
秀司の持ち過ぎる才能があれば、自ずと幸せを手に入れれる。と、勘違いして、幸せが降ってくるのを待つ犬であり、最後は幸せになる為に手段さえ厭わなくなる屑になる。

ミユも麗香に対する憧れや理想を押し付け、"幸せになって欲しい"と言いながら、理想の麗香を押し付けようとする。

鴨下も都合の良い女、秀司が与えてくれる優越感を待つだけの犬から、それだけでは我慢できなくなる屑になっていく。

最後に登場する蛯原も麗香を知りたい!
自分が美しいと思った麗香を見たい!自分の気持ちを優先させる屑。
心配と言いつつ、お金しか渡さない。心に触れて救う素振りがない描写が人間臭くて好きでした。

最後に、陽真の頭の中がお花畑で、汚い物を見ようとしない、受け止めずに見ないフリをして逃げようとして終わるのが、現実的な終わり方で良かった!

麗香のセリフは所々刺さるものが多くて、本当にいい作品でした!
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