(ニコ)完全版
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(ニコ)完全版

タカハシマコ

この世で生きるには痛みもある

ネタバレ
2023年3月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1、2巻とも164ページ。
一応SFの部類に入ると思いますが、設定的にはいろいろと無理があり、理屈屋にはサイエンスフィクションとして見られませんでした。どちらかと言うと、謎の少女が案内人として登場する学校の怪談的ホラーっぽい、短篇連作。
それでも、著者の描く毒を含んだ少女の「少女」らしさや、時々ザクっと刺してくる鋭利さが好きなので、充分に楽しめました。痛々しさが魅力で、「誰かがどこかに連れていってくれたら」という願いに覚えのあるタイプにはおすすめです。
第6話(1巻)のリストカット少女の話と、第10話(2巻)の母娘の話が特に良かったです。
あと、1巻収録の第3話に出てくる「祖父の日記」が、めちゃ怖かったです。
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