漫画家は嘘をつく
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漫画家は嘘をつく

幸村佳苗

素直じゃないのはデレの挙句

ネタバレ
2023年3月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 青年漫画家•望月弥生に高校時代から憧れていた駆け出し漫画家の遠野宗平は、望月のアシスタントをすることになります。ボサボサ頭に浴衣姿の望月は、宗平の絵を褒めてくれたものの内容はダメとはっきり言い、プライベートを穿鑿しないことと仕事場での一切を口外しないこととを言い渡します。望月と一緒に漫画を描き上げるのは夢のように楽しい時間でしたが、修羅場明けに望月が出張ホストを呼んで事に及んでいるのに気づいた宗平はびっくりします。次に望月の元を訪れた時、望月が綺麗な目をしているのに気づいた宗平はドキッとします。そんな宗平を揶揄った挙句、ノンケなんか大嫌いだと望月は宗平を突き放すのでした。自作に恋愛要素を入れることさえ嫌がる恋に臆病なツンデレ美人の心の傷を、一途な年下ワンコがほんわか癒して闇の中から連れ出します。仕事場にホストを呼んだり元彼がクズだったり色んな意味で痛々しい望月ですが、宗平にはわかりやすくデレるところに可愛げがあります。さすが元少女漫画家。その辺りの振れ幅がメリハリとなっていて、最後までダレること無く楽しめました。
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