星数は『ヒコウ少女』と『曇りのち晴れ』に

198ページ。
カバー絵はリアル寄りですが、中身はファンシーな感じにデフォルメされた軽やかさある絵柄で、中身の絵の方が断然好きです。
30ページ未満の短篇7作と、4ページのショート1篇の短編集。素直めな価値観で、するっとまとめられたラブストーリー。ガロ系も好きな自分には、ちょっと説明が多すぎたきらいがあります。
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・『ヒコウ少女』心が浮き立つと体が本当に浮いちゃう体質の女子大生の恋の話。幼い日に初めて浮いた時のシーンが印象的でした。お相手の男性の頑張りと、オチの軽快さが良い。星4つ。
・『タイムワープで』6年付き合った女との破局が尾を引いている男が、付き合ったことをなくしてしまおうと過去に戻る話。
・『不純恋愛』皮膚がウロコのようになる病気(実在の魚鱗癬とは違う感じ)の女子高生と、UMAオタク。ウロコっぽいものの自撮りをネットに投稿した時の女子高生がテンション高くて面白かった。
・『一筆一筆撫でるように』描いたものが一瞬だけ現実になるという筆を使って、亡き恋人の絵を描き続ける男(絵心ナシ)の話。恋人とよく似た弟、という設定にもう一捻りを期待してしまった。
・『曇りのち晴れ』地球に雲を描く仕事の男のささやかな恋の話。ファンタジックで良かったです。星4つ。
・『トーカの日』女性が月毎のホルモン変化に伴って丸一日透明になる世界での女子高生の話。この設定だと、透明になることがありふれすぎていて、この話で描かれたような心情にはつながりにくい気が。お相手の男子の胸に対してのセリフが、照れ隠しだったのかもしれないけど生理的に受け付けなかったため、その後の良い話展開に乗れませんでした。
・『アンパンドリーム』天才研究者である先輩女性と、それを追いかける後輩男性。巨大アンパンには夢があり、楽しそうでした。
・『ユーレイのはなし』4ページコミカルショート。