少女漫画
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少女漫画

松田奈緒子

少女漫画を愛する人へ

ネタバレ
2023年3月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 各話が少しずつ繋がりを持っているオムニバスストーリー。
ブログの管理人名は「ル・ルー」だったり、子供の名前が「リリカちゃん」とか、ラーメン屋は「やじろべえ」。少女漫画好きをウキウキさせる。探せばもっと隠れているかも。
「少女漫画には少女漫画のリアルがある」の台詞にドキリ!少女漫画を愛する私の心を捕えて離さないのはこの部分かもしれない。あとがきを含め各話共に、余韻が味わえるラストシーンだ。

各話の繋がりは第1夜で登場の人物が第3夜のモブで登場していたりして、それぞれに1人の人物として生活している様子がある。その人物にスポットが当たっていなくても、その人物は存在して何かをして過ごしているわけで漫画でそれを描いて詰め込まれているなぁと嬉しく思いました。
管理人名は「ベルばら」オスカル様の姪っ子ちゃんですね!
リリカちゃんは、雑誌の名前からつけたのでしょう。
ラーメン屋さんは、当時、山川あいじ先生が連載されていたタイトルなんだろうなぁ~と思いましたよー。
あとがきに雑誌『YOUNG YOU』のことを触れてくださっていたのは嬉しかった。私もあの雑誌は大好きでかなり執筆陣も素晴らしく少女マンガを卒業出来ないでいた女性たちの心を満たしてくれていたと思います。ざっくり言うと『ぶ~け』から豪華さを引いて持ち上がったような雑誌でした。小椋冬美先生、岩館真理子先生、花田祐実先生、倉持知子先生、陸奥A子先生、秋本尚美先生、逢坂えみこ先生、坂井久仁江先生、棒野なな恵先生、後年 羽海野チカ先生、渡辺ペコ先生…挙げて行けば切りがないくらいです。人気もあったのに何故休刊と皆が思ったことでしょう。そしてまたいつか復刊してくれるのでは…なんて夢も見せてくれているようにフェードアウトしていったのです。
「スラーコ」の先生方は架空の人物だと思うのですが、漫画界の中に居ればもしかしたら…なんてこともあるのかもしれませんね。多数の先生方の個性を集めてお一人のキャラを作り上げられているような気もします。そんなあれこれを想像するのも楽しかったりです。
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