このレビューはネタバレを含みます▼
高2の百瀬は休日の渋谷でクラスメイトの八代を見かけます。明るくてクラスカースト上位の八代が女の子の服を着てウィッグをつけて何をするでも無くただ突っ立っていたのを見た百瀬は、それから八代のことが気になって仕方ありません。ついつい授業中もガン見してしまい、不審さが際立つのでした。1週間八代のことばかり考えていた百瀬は、再び渋谷に出かけます。そこで今度はメイクまでちゃんとした八代を捕まえます。脅されると思って「金なんか無い」と泣きそうになって言う八代に百瀬は「可愛いから付き合って下さい」なんて言ってしまうのでした。元カノの悪戯心から女装するようになった八代は所謂LGBTQではありませんが、女装した時に見知らぬ男性から「可愛いね」と言われたことが忘れられないのでした。ごく普通のDKに内在していた「可愛い=自分=嬉しい」という気持ちは、もしかすると誰にでもあって何かのきっかけで思いがけない方向に伸びていくのかな?と思わせます。心の底では惹かれながらも「そっちに行っちゃいけない」と常識に捕らわれる八代の精一杯の抵抗を、メタルを愛する孤高のDT百瀬が空気を読まずに突破してゆきます。愛すべきDK達のお話は単行本『STAYGOLD』第1巻でその後が読めます。