このレビューはネタバレを含みます▼
絵が綺麗で、ストーリーもしっかりしており、斬新とまでは言えませんが、設定も普通に面白かったです。
なのですが…理解不能のドM主人公に、作品の印象を全て吹き飛ばされました(苦笑)
当然ですが、人間の好悪とは、自分が相手をどう思うかであり、相手を他人がどう思うかではありません。
例え、相手が悪党であっても、恩を受ければ感謝するのが人間だし、自分に危害を加えてくる相手なら、聖人君子であろうが、唯の敵でしかありません。
主人公の罪と罰を箇条書きすると、
【罪】祖母が百万人以上を殺した大悪人である(連座)
【罰】①結婚式を偽装され、初夜に祖母の生首を手渡される②投獄されて死刑を宣告③目の前で娘の命乞いをする両親を斬首④不老不死である為、ありとあらゆる残虐な方法で数百回も処刑⑤半永久的に離宮へ幽閉
主人公が好きな方には申し訳ありませんが、これらを行った男を今でも愛しているのは、精神的な疾患としか思えませんでした。
両親を殺され、人としての尊厳をグチャグチャに踏みにじられても、償いの為に国を救いたいとか(笑)
どう考えても、少女が復讐して、国を滅ぼす物語の方がしっくりきます。
百歩譲って、狂気の処刑は国民をなだめる為と理由を付けられても、困ったら、その相手に助けを求めにいく、王国側の厚顔無恥なクズっぷりにも反吐が出ました。
「この国は滅びた方が世界の為になる」と、個人的には思いました。