このレビューはネタバレを含みます▼
1巻前半迄は面白かったのですが……以降は全般的に物足りないお話。そもそも蝶の役割が「観光大使」だと? 作者の解説を読んで、そ、そうなのか。過度な期待を寄せてゴメンナサイ、でした。国の陰謀も世界崩壊の危機も無いし、呆気なく3人が出逢った後は、「転生してまで出逢えた運命」みたいな真剣さもナイナイ。ドラマ性の面で特筆する所が本当に何もない。カナの恋も、前世ではあの人、今世ではあの人、それがダメなら最後は弟って、どうも彼女の恋愛脳のゆるさに応援する気にもなれず……。姉弟でも、せめて義理姉弟且つ、レイがカナに対して姉以上の感情を抱いていたとか、過度なシスコンだったとか、なんでもいいっ。きちんとした根拠があれば納得出来たし、個人的に救いがあったのに。レイもカナも「家族だから!」という強い思いの描写もなく、ペラペラで、とにかくキャラの心情が薄いなー……と落胆しました。ハナと茜も、それに付随して、とても悲しい別れの筈なのに、何となくサラッと読めてしまって、泣けなかった。それら散見した不足部分を最終解説で、「作者はここまでキャラ達の設定を考えていました」的に、ちょこっと補足されても、ね?……話として、きちんと読ませて欲しかった部分です。「消化不良で物足りない」の一言に尽きます。