「昭和のイケメン」顔のヤ◯ザの爆笑大恋愛





2023年4月1日
野浪組長のどこかクラシカルな外見が、黒澤明の映画『酔いどれ天使』の若かりし頃の三船敏郎みたいと思っていたら、舎弟のタカくんに「イケメンったって昭和のイケメンでしょ」と言われていて、盛大に笑った。作者様、確信犯👍😉。令和どころか平成も飛び越えた昭和のイケメンの野浪さんは、顔だけでなく頭も勘もついでに耳も良い有能なヤ◯ザ。背中に虎の刺青を背負った彼が、自分の命を救ってくれた兎のように可愛らしい容貌の外科医センセイに熱烈な恋をし、彼を落とすために必死であれやこれやの策を弄します。そして本業の時には冴えわたる勘や明晰さや威圧感が、兎センセイに対峙するときは全消失。デレデレのアマエタのツンデレのワガママ36歳児に成り果てるギャップに笑わずにはいられない。しかし兎センセイの身の安全、立場、意志は自分の身を賭しても守ろうとする姿は文句なく男の鑑。登場人物の心象風景が虎、兎、鷹の動物でたびたび表現されるのだけれど、ヘンにディズ◯ー的にカリカチュアされておらず、その生態までもが図鑑のように正確で緻密に描かれながらも、感情が十分に伝わってくることに驚く。作者様の画力とセンスを感じます。兎センセイもパッと見はひ弱で引きずられがちだけれど、外科医としての使命感など決める時は決め、さすが男の子って感じなのもいい。カーテンヴェールからのシーンはとてもロマンティックで、笑うだけでは終わらせていない。愛すべき作品でした。

いいねしたユーザ2人