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今月(10月1日~10月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • ONLY MY PSYCHO

    キヨヤス理解

    ”sensitive contents”30連発の笑撃😄‼
    2024年7月27日
    ”sensitive contents”(要は『閲覧自粛』ですね)が怒涛の30発(ヒマなので数えましたが誤差はご勘弁を💦)。グロ描写になると、cpのクール担当が「すみませんね〜」と人を小馬鹿にしたような笑顔でこの文字記載のフリップを掲げているショットが貼られており、笑。一方で、cpが2人でイタシている際の局部の描写では貼られず甘い修正にとどまり「エロ描写では貼らんのかい」と、さらに笑。そのくせ、イタシている時ではなく、やむを得ず局部を露出している場合には律儀に貼られているという芸の細かさに感心し、爆笑。「ということは、作者様の中で、あそこは本来の役目を果たしていない時はエロではなくグロとして自粛対象となるのか?ダブスタか?」とまあ、今まで考えたことのない視点でアホな考察している自分に呆れたわ。ストーリーも奇想天外で予測がつかず、「何でそうなる?」と話の展開に一瞬困惑する箇所も多々あるが不快ではなく、むしろどこへ連れて行かれるかわからないジェットコースターに乗って疾走しているような爽快感とワクワク感が満載。共にスタイリッシュでセクシーだが、どこか波長がズレているのが笑えるクールと単細胞の殺し屋cpも魅力的だし、2人の上役のおじさんもキャラが立っていていい味を出している。そんな登場人物が醸し出すとぼけたユーモアが炸裂し続け、最後までニヤニヤが止まらない。作者様の中でスパークする創造力が溢れ出ているような、そんな勢いのある作品でした。
  • 鬼滅の刃

    吾峠呼世晴

    「正しい日本の少年」の生き様がたまらない
    2024年6月11日
    アニメはもちろん素晴らしい。しかしそれも、この素晴らしい原作があったからこそと納得できる名作。炭治郎は倫理観・思いやり・正義感・努力家・友情にあついetcと、道徳の授業で推奨される美徳を全て集めて丸めてこねたような少年である。スレた大人からすると、最初は鼻白むほどのど真ん中過ぎる「正しい少年」なのだが…これがいいんだなあ。あまりに正しすぎ、一周回って「天然」状態になっているのも面白い。彼が、仲間の少年や先輩たちとの修行や交流、鬼との闘いを通じて成長していく姿には強烈に惹き込まれる。その過程で登場人物たちによって語られる名言も、日本人としての価値観を再認識するような心に残るものが多い。そして、原作者の人としての高潔さをこれほどダイレクトに感じさせる作品はそう多くない。こちらは少年少女の時代は既に遥か遠くなっている世代だが、それでも今後生きづらさを感じた時には読み返したくなる作品だと思う。
  • 最終電車の恋人たち

    ダヨオ

    少数派だけれど…ちょっと納得いかなくて😔
    ネタバレ
    2024年6月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大人のモダモダが可愛いのとHシーンなしのピュアさが良いというのが高評価の主な理由のようですが、今回ばかりは自分が少数派なのだと軽くショック。私自身どちらかというとストーリー重視派で、BL作品の全てにHの描写が必須だとは思わないし、そういうのが無くとも感情移入・共感できる作品を多く見てきました。しかし本作品においては、いや違うだろーと。さらりと終わりすぎだろーと。この作者様らしく作画は綺麗だし、これまでもこれからも人生で恋愛することはほぼ諦めているお疲れ気味の社畜アラフォー・春江さんと、降って湧いたように現れた外見も中身もイケメンな藤嶋の心情も細やかに描かれ、ゲイの恋愛の難しさもよく伝わってきた。しかしそういう話だからこそ、恋愛による心のアップダウンに痛々しいほど翻弄された春江さんが、辛抱強く待ち続けた藤嶋と心だけでなく体も結ばれる瞬間を見てみたかった。互いに生涯を共にするに足ると決めた相手とようやく結ばれ、心から安堵し喜びを噛みしめているのを見て、「ああ良かった😄」というカタルシスを味わいたかった。全部読み終えてから「え、これで終わり?」という肩すかし感が半端なかったです。その後の2人の幸せな日々が描かれてはいたものの、もう恋愛は諦めていた臆病なアラフォーが、これが最初で最後とばかりに勇気を振り絞ったであろう重い意味合いを持つHシーンを完全スルーされて、「画竜点睛を欠く」なんて四字熟語が浮かんでしまったほど(作者様も熟慮のゆえの構成なのに、ごめんなさい😩😓)。少し評価を下げてしまいましたが、あくまで『超』少数意見ということでお許し下さい。
  • アフターグロウ

    吾瀬わぎもこ

    鈴木亮平で実写化希望?圧倒的な作画力❗
    ネタバレ
    2024年5月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 皆さんおっしゃるように、とにかく画力が素晴らしい。「漫画」よりむしろ「劇画」という方がふさわしい作画力。コミックって必ずしも画がうまければ面白いとは限らないけれど、ここまで圧倒的な画力を提示されると、それだけで有無をも言わせずねじ伏せられる気がする。正確な人体デッサンや、黒→グレー→白のグラデーションの緻密さが、背中の刺青、工場夜景、ピカピカに磨かれた靴などを、写真ではないかと一瞬惑わせるほどの立体感を伴って浮かび上がらせてくる。893である天授の、彫り物の入った筋骨隆々の背中を右斜め後方頭上から舐めるように描いた1ページには思わず息を呑んだ。いやーこれこそが漫画の醍醐味、眼福です😍。そしてこの漫画の魅力は画力だけではない。威圧感満載の体格でありながらも微笑みを絶やさず、どこか哀しげな下がり眉で、優しく方言で囁いてくる天授の色気たるや只事ではない。旧帝大出のお医者様であるウブな聖高が訳もわからないまま落ちてしまうのもわかるわ。この作品は天授の色気と可愛げを堪能するためのものと断言しても、あながち間違いではないと思う。「孤狼の血」と「シティーハンター」を見事にこなした鈴木亮平に天授はハマるだろうな、と思いながら読み終えました😄。
  • 緑土なす

    みやしろちうこ/user

    唯一無二の世界観。読後満足感ハンパなし👍
    ネタバレ
    2024年5月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 中国王朝史に着想を得たような独特の世界観の中で、異能でもって国を統治し敬愛を集める金髪碧眼の美貌の王レシェイヌと、山中深く文明や他人とほぼ没交渉で生きてきた足にハンディを抱える野人・足弱(あしよわ)が、愛を育んでいく物語。そしてこの足弱、育ちのせいか寡黙で控えめだが決して野蛮で品性下劣なのではなく、ほぼ無学とは言え関心事に対しては抜群の集中力で学び体得し、人を疑うことを知らず他人と接する時は誠意と敬意を忘れない純朴な男。そういう天性の人たらし的なところが、登場人物のみならず読み手の母性本能や庇護本能をくすぐります😄。一方のレシェイヌは同じ王族しか愛せない一族なのに、なぜか足弱を「兄」認定し猛烈に求愛。足弱の方は、自分が王族のわけがないと最初はこの求愛に困惑、辟易。しかしレシェイヌが自らの地位や身体を賭してまで足弱を守り愛し抜こうとする姿を見て徐々に自らの立場を受け入れていくのだが…。王族の守護団「灰色狼」と彼らの趣ある名前や、物語の進展に合わせて自然に説明される政治体制、王族の宿命や病気など、舞台となる唯一無二の世界観の創造力とそれをうまく読み手に伝えてくる文章力は素晴らしい。難を言うなら、レシェイヌの愛情表現の言葉はもう少しボキャブラリーが欲しかったかな😉。表紙や挿絵の画力も相まって、壮大な舞台の中で登場人物達が生き生きと躍動する姿を頭の中で具体的にイメージでき、読書の楽しみを堪能できました。本作はこれを書いている時点で6巻の長編ですがメインストーリーは最初の2巻で、ことに2巻ラストのクライマックスは怒涛の展開で読み手を翻弄し没頭させ、一気読みした読後の満足感は格別です😶✨。3巻以降はサイドストーリーやその後のお話という感じなので、まずは2巻読んでみることをお勧めします。ただ、無理矢理行為に及ぶシーンがあるので地雷の方はご注意下さい。
  • アンダードッグ・パピーラブ【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

    茶渡ロメ男

    ヘタレだが実は芯の通った成瀬に惚れます😄
    ネタバレ
    2024年4月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 読後感の良い優しいお話。根底に流れる主人公cpの人間としての善良さが清々しい。DKのヒカルは、ボンボンゆえの多少の強引さはあれど、基本的に素直で人の気持ちもわかる良い子。そして何より、ヒカルが惚れる落ちぶれたゲイ芸人の成瀬が凄くいい❗人に利用されても、人を利用する側には断じて立たない。どんなに辛くても人のせいにしないし悪口は言わない。それだけに夢を諦めかけた時の「潮時かもしれん」が本当に切ない…。それでも自分のできる努力を地道に積み重ねていき、少しずつ周りの信頼を勝ち得ていきます。そのくせ、ヒカルからの積極的アプローチには「未成年相手にアカン…」と自制するも、すぐにメロメロになっちゃうんだわ😄。成瀬自身は自分のことを甲斐性も無くてヘタレでちょろい大人だと自覚して、ヒカルのためにも距離をおこうとするのだけれど、一見頼りなくても実は真っ当な信念の元に行動し結果を出していく成瀬を、ヒカルは益々好きになり離れがたくなっていくのが、読み手に伝わってきます。そんな2人のHはエロいというより可愛く健気で、外野はただただ微笑ましい気持ちで見守るしかなくて。この2人はこの先もずーっと大丈夫🖤。読んだ後はそんな多幸感で満たされ癒されること間違いなしです。あと限定特典での、成瀬の髪へのヒカルのアドバイスはgood job👍❗
  • 僕が僕を忘れる前に

    一百海諭

    全てを語らないことで一層強まる余韻
    ネタバレ
    2024年4月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 全103頁の中編。ある種のタイムトラベル的ストーリー。舞台は満州事変前夜の昭和恐慌後期の東京。実家の商店の命運をかけて商品開発にいそしむ実と、農村不況で押し出されるように上京し、実の商店で働くことになった三郎の切ない恋が、当時の時代風俗を背景に、鮮やかに丁寧に描かれています。彼らの仲は、2人が思ってもいなかったアクシデントに見舞われ、それにより前述の時間移動が始まることに。状況設定や2人の思いが深まっていく過程については実に細やかに触れているのに、終わり方は説明不足で唐突過ぎる印象もあり、もう少し2人の幸せな時間や、願わくばエロい情景も…と思わないでもありません。それでも、この作品はこれで十分完結しているように思います。というのも、本作品での2人の日常会話が「君、〜したまえ」「君が〜するのかね」などというように、当時の話し言葉を正しく踏襲して実に美しかったり、背景も含めた作画がこの時代に適合してどこかクラシックだったりと、元々、本作品は戦前の日本の凛とした品の良さを醸し出しています。主人公2人からして、本来はどちらも決してセクシーなタイプではありません。しかし、今よりずっと禁欲的な時代、制約多き社会の中で社会人としてしっかり自分を律して生きている一方で、思いのままに気持ちを大っぴらにしたりはせずに、お互いひそやかに相手を思い合っているその姿が、次第に魅力的で共感できるものになっていきます。そのような背景、人物設定のせいもあり、「秘すれば花」ではありませんが、何もかも全てを説明しきったりさらけ出したりせず、印象的な一言だけの唐突な幕引きが想像力をかき立て、切ない余韻が一層心に残るように思われました。BLのLにはこういう表し方もある。そういう意味では、行間を読ませて後は読者に結論を委ねる小説の様式に近い作品かも知れません。ただ一つだけ、最初と最後のプチ・オカルト風味、ちょっとこじつけすぎて私的には無くても良かったかなと💦。あくまで好みの問題ですが。ちなみにこの作者様、他作品では全くクラシカルな絵柄だとは思いませんでした。状況設定次第で雰囲気までがらりと変える。凄いです。
  • カム トゥ ハンド【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

    「手」が紡ぐ優しく繊細なレースのような恋
    ネタバレ
    2023年9月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ "come to hand"というタイトルから、読む前は単純に「好きだった相手が自分に落ちてくれる」みたいなお話かと想像しましたが、少し読みが甘かったな😄。高校の音楽教師の美晴はピアノを弾き、嵐はタトゥーの彫り師です。2人ともまさに「手」が命の仕事なのですが、ハンドクリーム、絆創膏、手袋といった相手の「手」を思いやる品のやり取りで、彼らの思いがゆっくりと加速していくのが何とも象徴的。嵐が最初に美晴を意識したのも、音楽の教師だったにもかかわらず嵐の「手」を見て絵が好きなのだと見抜いてくれたからだったし、結果的にそれが彫り師という仕事に繋がったのならそれも運命的です。美晴の言葉遣いは敬語が平常運転で立ち居振る舞いにも節度があり、それがこの作品をそこはかとなく品のあるものにしている。嵐も多少のヤンチャはしてきたらしき気配はあるものの、基本的には真面目で優しい。大袈裟な事態は起こらず憎まれ役も出てこず、この2人が淡々と穏やかに仲を深めていく過程の細やかな描写が、細い描線の作画とも相まって、繊細なレースが次第に編み上がっていくのを見ているような思いに捉われました。そして一巻の最後がやはり「手」で優しく締めくくられたのも印象的でした。登場人物全員が、趣きあるお天気の名前なのも何気にステキ♦。
  • ごちそうΩはチュウと鳴く【コミックス版】

    はなさわ浪雄

    最近ハヤリのキツネ顔時々糸目くんの魅力🖤
    ネタバレ
    2023年8月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ かつては主人公の友達か敵役に甘んじていた感のあるキツネ顔時々糸目くんですが、最近は堂々と主人公cpの片方の座を占めることが増えてきたような。この作品もそんなひとつ。編集者でαかつキツネ種族(捕食者)の宇迦野(うかの)と、漫画家でΩかつネズミ種族(被食者)のさちおの、ちょっぴりスリリングでコミカルな愛に溢れたお話です。有能でスマートだが、いかにもキツネらしい細く鋭い吊り目が時々糸目になり、何を考えているのかわからない宇迦野に、捕食対象種族のさちおは最初はガクブル。しかし、実際には宇迦野はさちおとその作品を愛しており、ときに編集者としての立場を逸脱しかけながらも、さちおに献身的に尽くし、さちおの危機を救ったりして、次第にさちおの心を掴んでいきます。で、このキツネ顔時々糸目くんの、ズル賢いキツネのイメージを覆すギャップがとても魅力的。唐突にさちおをきなこもち認定したり、おいなりさんに執着したり(まあキツネだからね…)、ライバル的αが出現するとヤキモチ焼いて大っぴらに邪魔したり、可愛いんだな、これが😄。そして何より、αなのにΩのさちおを支配する愛し方なのではなく、あくまでもさちおの意志と安全を尊重する愛し方なのに好感が持てる。何事も要領よくこなすクールな外見の内側に、誠実でひたむきな愛情と責任感を宿すキツネ顔時々糸目くんの魅力に、さちおでなくてもやられてしまう作品です。
  • ひみつは晒して愛でるべき

    くらのね吉

    ドラマチックではないけれど、そこがいい❗
    2023年7月29日
    悪人や破天荒な人物は出てこない。大きなトラブルも起きない。主人公2人の争いや対立も皆無。この2人が妙にキャラ立ちしていないのが、かえって新鮮で好感が持てました。弾みで体の関係は持ったものの、さてこれからどうしたものか、相手はどう思っているのか、などの戸惑いと不安の中、相手の些細な言動に敏感に反応し配慮しながら手探りで進んでいく、真っ当な社会人2人の姿が丁寧かつユーモラスに描かれています。一方で2人とも欲望には正直で、貪欲にHに取り組む姿はむしろ微笑ましい😄。当初互いに抱いていた警戒心や遠慮から次第に解き放たれ、ベッドで可愛い本音をぶつけ合うようになっていく2人の姿には、エロさより穏やかな優しさを感じました。ドラマチックな盛り上がりはありませんが、大人ならではの落ち着いた恋の進展は読んでいてほっとします(当の2人はハラハラドキドキでしょうが💗)。落ち込んだり気持ちがささくれだったりした時に、また手に取りたくなる作品だと思います。
  • シャングリラの鳥

    座裏屋蘭丸

    美しく独特、そして少しビターな大人の童話
    ネタバレ
    2023年7月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく作画が美しい。そしてこの作者様は、自分の描く画の魅力を最大限に活かせる物語を創る能力にも長けている。この作者様の作品の舞台はほとんどが外国であり、エスプリのきいた会話や外国人特有のボディランゲージ等が不自然ではなく、さらりと描けているのは地味に凄いと思う。本作品もそんな独特の魅力が存分に発揮された作品です。美しい男娼達がおおらかに性を饗する、南欧のリゾート地を彷彿とさせるような楽園。男娼の一人と、試情夫と呼ばれる男娼の準備をする男が、共にのっぴきならない事情を抱えながら、許されない恋にのめり込んでいく…。浮世離れした世界観の中でも、現実世界のしがらみや苦しみがやるせないビターな「大人の」童話。どことなくサガンの小説やフランス映画のような余韻が残る作品です。
  • ひだまりが聴こえる-春夏秋冬-

    文乃ゆき

    完結させる落とし所を見誤ったのでは…?
    ネタバレ
    2023年7月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ひだまりシリーズ全般を通じての印象です。出だしはとても面白かった。しかし、ご指摘の方も多いように、まず主人公2人の関係の進展のじらし方、先延ばしが、許容限度を少し越えているように思われます。さっさと事に及べということではありません。BLとは言えど、全ての作品がそういう行為の描写のみを目的としているわけではなく、全くなかったり、あるいは雰囲気で匂わせるだけでも十分満足できる作品は多々あります。しかしこの作品は、直前までの描写はじっくりなされながら、最後の最後で太一が拒絶したり、もしくは航平が太一の気持ちを慮って途中で止めたり、何らかの事情で中断したりと、毎度2人が結ばれるには至りません。1度や2度なら物語を盛り上げるエピソードとして有効ですが、何年・何巻を経てもこの繰り返しだと、狼少年ではありませんが、そういう雰囲気になっても「またあれか」と期待もしなくなります。そして次に、太一の人物造形があまりに幼すぎる。航平が粛々と自分の道を模索し大人へと成長していくのに対し、太一はいつまでも食い気旺盛で行き当たりばったりの単純さばかりが強調され、航平のアプローチに毎回大袈裟に恥ずかしがるのも次第に鼻についてきます。大学を出て社会に出て周りが大人ばかりになると、尚更その幼さが悪目立ちします。大学時代の描写では、耳が不自由な人の生活について作者様がよく勉強なさったことがきめ細かく反映され、太一の幼さもまだ学生ゆえの可愛さと思えて、とても楽しく興味深く読めました。しかし社会人編になってからは、進展しない2人の恋と、耳の不自由な人の社会参加の問題と、どちらに軸足を置きたいのかがよくわからなくなってきました。結果、本作品は2人が一番良いタイミングで結ばれて完結する落とし所を見誤ったようにしか見えないので、申し訳ありませんが星3つで。上から目線で評価を下げてごめんなさい。
  • 間の楔

    吉原理恵子

    原点にして至高、そして基準となった作品✨
    ネタバレ
    2023年7月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて読んだBL。最初がこの作品ではなかったら、それ以降もうBLは読まなかったかも。それほど衝撃的でした。その後、無意識のうちにこの作品を基準にして他作品を評価する癖がつきましたが、私の中でこの作品を超えるものはまだありません。舞台は近未来。絶対的ヒエラルキーの最上位に属するアンドロイドのイアソンが、面白半分に最下層に属する「雑種」の人間リキを無理矢理ペットとして飼い始めます。リキは「雑種」のプライドにかけてペット扱いから逃れようとしますが、イアソンは次第にリキを本気で愛するようになり絶対に手放せないと自覚するに至り、元々無理があった2人の関係はゆっくりと悲劇へ向かって舵を切り始めます。この両極端の世界に住む2人のカリスマが各々のプライドをぶつけ合う一方で、お互い以外は考えられないほど狂おしく求め合うという愛憎入り混じる関係が、息詰まるような筆致で描かれます。このドラマをより引き立てるのが、その壮大にして緻密な世界観。社会体制、乗り物、建物、街並み、今でいうIT機器、外交、経済、法律etc.に至るまで触れられます。こういうのが退屈、苦手な方もおられるでしょうが、背景が現実的でしっかり書き込まれているからこそ、イアソンとリキの絶望的な関係がより明確になるわけで、この点こそがこの作品の価値を大きく底上げしています。そして、2人のセ◯クスの描写の濃厚で官能的なことといったら❗ダイレクトな視覚よりよほどエロティックで、フルボディの赤ワインのように強い余韻を残します。初出から40年近く経っていますが古さは感じません。その間、アニメ(OVA)にもなったし、英語やスペイン語にも翻訳されて現在も海外のファンが増えています。私はyoutubeのおすすめに上がってきたサントラに惹かれそこからアニメ、小説と逆流しました。入りやすい所から入り、このBLの古典的名作に触れてみてはいかがでしょうか。興味のある方にとっては一読の価値ある作品だと思います
  • 私たちが恋する理由

    ma2

    作画が素晴らしいです✨
    2023年5月28日
    ma2先生の作画は、ファッション図鑑の挿絵やコミック雑誌の表紙になったりして、そのスタイリッシュさとうまさは頭ひとつ抜けてる感じがする。何より特徴的なのは、キャラクターの図柄が無国籍ではなく「カッコいい日本人」とわかる情緒を醸し出していること。脚も無闇に長くないし、顔もどちらかというとあっさりしていて、漫画になるとこの作画がとても魅力的です。で、内容の方はと言うと、正直、作画ほどのインパクトは無いかなーと。細やかな心情描写はあるのだけれど、淡々として今ひとつ盛り上がりに欠けるというか、主要キャラも皆いい人ではあるけれどひねりが無いというか。時々挿入される大正時代のcpのエピソードも、最初の内は意味がわからなくて混乱しました。結婚を意識する若い男女の日常を細やかに描写した作品としては共感できる方も多いと思うのですが、ごめんなさい、こちらの年齢的ギャップもあるのか💦、私は今ひとつ乗れませんでした。次巻でその印象が変わることを祈りつつ、星4つで。
  • 滅法矢鱈と弱気にキス【コミックス版】

    腰乃

    斬新な切り口のオメガバ。CPが最高👍❗
    ネタバレ
    2023年5月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 通常のオメガバ設定とは異なる視点が斬新で、またそれが最高にハマって面白い。ほぼ番(つがい)認定されたDKの横須賀と医者の静香ちゃん(♂)。可愛い女の子希望の横須賀は静香ちゃんを速攻拒絶。しかし静香ちゃんは自分を番にすれば横須賀にとっていかに利益があるかを、プレゼンさながらに猛アピール。ケガで入院してきた横須賀の治療過程でその効果を実践してみせるから説得力は抜群です。一方で横須賀は、静香ちゃんが見せるΩの本能に基づく生々しい能力や生態にドン引き。とまあ、オメガバにありがちなロマンチックなラブ要素は序盤はほぼ皆無。腰乃先生らしいユーモアに包まれているとは言え、綺麗事を排除したαとΩの現実的な関係性をむしろ露悪的に表現しているのが、なかなか見ない視点で斬新でした。しかし中盤からは、静香ちゃんは自分の弱さも素直に横須賀に見せるようになり、横須賀もΩの生態を勉強し、静香ちゃんの医師としての優秀さや人としての優しさを知り、次第に2人の距離が縮まっていきます。で、この2人の造形が本当にいい❗ 静香ちゃんが、Ωとしての運命に苦しみながらも投げやりになったり他人を恨んだりすることなく、人としての幸せをつかむために、何度失敗してもお見合いに臨み、何度拒絶されても横須賀へのアピールを止めない姿には感動しました。そして、単純だけれど漢気に溢れ、いざという時は必死に静香ちゃんを守ろうとする横須賀もカッコいい。かつてΩ宣告された時に「(自分が幸せにし、自分を幸せにしてくれる番なんて)んなの俺にいるわけねぇよ」と泣いた静香ちゃんのコマの次に、「んなのはちゃんといた」と横須賀のコマ。このセンス最高だ。当初無愛想だった静香ちゃんの表情がどんどん愛らしく変わっていくのも見逃せない。腰乃先生の作品の中でも一番大好きな作品です。
  • 異世界の沙汰は社畜次第

    采和輝/八月八/大橋キッカ

    異世界でも社畜魂炸裂❗でも恋もしちゃう😉
    ネタバレ
    2023年4月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 既に完了したノベルのコミカライズ。現代ニッポンから異世界に飛ばされてきた「社畜」誠一郎が、異世界でも「仕事と効率最優先❗」の社畜魂で国政に絡み結果を出していきます。一方で誠一郎の命を救った騎士団長のアレシュは「誠一郎は今後も俺が守らねば」と謎の庇護本能を発動させ、いつしかそれは恋心に。しかし誠一郎にとっては、アレシュの過剰なお世話は文字通り大きなお世話。この2人の珍妙でちぐはぐな攻防が笑えます。コミック現在既刊4巻まででは、誠一郎が次第にアレシュの気持ちに歩み寄りロマンチックなシーンもあるのですが、そこでも「効率」が幅をきかせており、2人の恋はまだこれからが本番かな。ノベルではかなり深く語られていた異世界独自の政治問題も、コミックではうまく簡略に説明されていたり、魅力的な多数の脇役陣も躍動感溢れる活躍をしていたりと、作画だとこうなるのかという視覚の楽しみがありました。特に、アレシュから恋の悩みを相談された従兄弟の「KOIBANA❗」のシーンは、ノベルでも笑ったけれど、作画家様のセンス溢れる漫画ならではのショットに大爆笑😄。今後、このシーンあのシーンがどう描かれるのかがとても楽しみです。とは言え、ノベルを読んだか否かはコミックを読む上で何ら支障はありません。異世界の世界観も登場人物もしっかり書き込まれた高評価のノベルを、実力ある作画家様が描いた作品それ自体を純粋に楽しめる作品です。
  • 狼への嫁入り~異種婚姻譚~

    犬居葉菜

    作画、お話、主人公キャラ、全てがいい❗
    ネタバレ
    2023年4月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく絵がうまく、人も背景も美しくセンスがある。狼姿の裕士が楓を掴んで満月の前を横切る第4話の表紙のショットとか、たびたび挟まれる大きく見開かれた楓の瞳とか、大きな余白のとり方とか、印象的で思わず見入ってしまう描写がいくつもあります。お話もBL世界の民間伝承ならいかにもありそうな、どこか懐かしさを感じるバックグラウンドが作り込まれていて、説得力があり惹き込まれました。そして何より主人公cpがとても健気で可愛かった。見ず知らずの相手と結婚する羽目になった狼族の練と兎族の楓。楓は練や狼族に馴染もうと必死に努力するのですが、どこか投げやりで無気力な練には届いているようには思えません。そんな訳で最初は気持ちがずれまくり何かと衝突する2人ですが、結婚準備のための儀式を重ねていく内に次第に心を通わせ、結婚を素直に受け入れられなかった互いの事情を理解し合い、共に生きていくことに喜びを見出していく過程が、読んでいて微笑ましかったです。くるくる変わる楓の愛らしい表情と、最初は無表情だったのが次第に感情を面に出せるようになっていく練の変化がとても愛おしく印象的でした。兎族の楓の足癖の変化は笑ったわー😄。気持ちは正直だね。あたたかい気持ちの残る優しいお話でした。
  • さよなら共犯者【単行本版】

    あがた愛

    リアルなようで非リアルな愛の逃避行の果て
    ネタバレ
    2023年4月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ リアルさと非リアルさの絶妙な狭間にあるシリアスなストーリー。互いに本名も知らない成人男性と少年が一緒に逃避行という素っ頓狂なシチュエーションなど、ツッコミ所は諸々あり。しかし主人公2人の心の動きが、作者様の画力も相まってとても細やかに鮮やかに描かれており、読み進むにつれ自然と2人への共感を深めていってしまいました。育った環境への漠然とした反感や、思春期ゆえの怖いもの知らずもあってか、逃避行中も狂おしくヒロセを求める少年はじめ(キス待ち顔のエロさときたら…)。そんなはじめを最初は拒絶するも次第に絆され、理性を必死に保とうとするも、時に崩れてしまう弱さを見せるヒロセ。だとしても、はじめや社会に対して誠実であろうとするヒロセの人間性には好感が持てました。倫理的に微妙な立ち位置を敢えて前面に出した作品なのに2人に共感できたのは、終始ヒロセが大人の節度をもってはじめに対峙するよう努力し、はじめの現在と未来を壊さないことを最優先で考えていたからに他なりません。シリアスな分、大人と未成年のBLが地雷の方や、異世界やオメガバース設定以外ではあくまでリアルを求める方には不向きかも。けれど、フィクションの世界のファンタジーならある程度は許せる方なら、ハラハラしつつも惹きこまれて読んでしまうのではないかと思います。互いに思い合う2人が幸せになることを願わずにはいられない、魅力的な作品でした。
  • ハビービーにくちづけを

    熊猫

    小さなスマホ画面で白黒の細密画はキツい…
    2023年4月3日
    お話は面白かったと思います。ただ、小さなスマホ画面内に白と黒だけで描き込まれた細かく密度の濃すぎる作画に目がチカチカ。年齢のせいもあるかもですが😩💦。絵の内容を把握することがまず第一、セリフや擬音を読むのは二の次で、サクサクと作品の世界に没入できないストレスが思いの外強かったです。作品内容とは別の、読み手側の事情で評価を下げてごめんなさい。
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  • 【新装版】兎オトコ虎オトコ

    本間アキラ

    「昭和のイケメン」顔のヤ◯ザの爆笑大恋愛
    2023年4月1日
    野浪組長のどこかクラシカルな外見が、黒澤明の映画『酔いどれ天使』の若かりし頃の三船敏郎みたいと思っていたら、舎弟のタカくんに「イケメンったって昭和のイケメンでしょ」と言われていて、盛大に笑った。作者様、確信犯👍😉。令和どころか平成も飛び越えた昭和のイケメンの野浪さんは、顔だけでなく頭も勘もついでに耳も良い有能なヤ◯ザ。背中に虎の刺青を背負った彼が、自分の命を救ってくれた兎のように可愛らしい容貌の外科医センセイに熱烈な恋をし、彼を落とすために必死であれやこれやの策を弄します。そして本業の時には冴えわたる勘や明晰さや威圧感が、兎センセイに対峙するときは全消失。デレデレのアマエタのツンデレのワガママ36歳児に成り果てるギャップに笑わずにはいられない。しかし兎センセイの身の安全、立場、意志は自分の身を賭しても守ろうとする姿は文句なく男の鑑。登場人物の心象風景が虎、兎、鷹の動物でたびたび表現されるのだけれど、ヘンにディズ◯ー的にカリカチュアされておらず、その生態までもが図鑑のように正確で緻密に描かれながらも、感情が十分に伝わってくることに驚く。作者様の画力とセンスを感じます。兎センセイもパッと見はひ弱で引きずられがちだけれど、外科医としての使命感など決める時は決め、さすが男の子って感じなのもいい。カーテンヴェールからのシーンはとてもロマンティックで、笑うだけでは終わらせていない。愛すべき作品でした。
  • デュオ・ラブ

    町屋はとこ

    綺麗な作画、良いお話なんだけれど…
    2023年3月31日
    個人的に音楽関係の作品にはとても思い入れがあって、漫画では物理的に表せない「音」がどう描かれているか、それがこちらの心にどう響いてくるか、がすごく気になります。本作品は「音」の表現も含めとても美しい作画だとは思いましたが、私の中では今ひとつ響いてくれませんでした。何というか、ボリュームの割には思ったより主人公cpの関係性のクライマックスが穏やかすぎて、いつのまにかさらっと終わり拍子抜けした感じ。評価も高いし、良いお話なのは十分わかるのですが、町屋先生の別作品を読んだときも似たような印象を覚えたので、単に私個人があまり相性が良くないのでしょう。ということでごめんなさい、星4つで。
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  • 異世界の沙汰は社畜次第

    八月八/大橋キッカ

    異世界ファンタジーと社畜は両立する👍
    ネタバレ
    2023年3月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「異世界」ファンタジーとは真逆の「社畜」という言葉に惹かれて読んだら、すごく面白かった! この手の話は「社畜」をどれだけリアルに描けるかで決まると思いますが、いや思っていた以上に「社畜」でした。担当職務である経理面で有能なのはもちろん、部外との連携や事前の根回し、上役への忖度、的確な状況判断と、すごいぞ、誠一郎! どこの世界に置かれても、社畜は社畜の本分を全うせずにはいられないのだなあと納得。そしてその「仕事と効率最優先」たる社畜魂は、誠一郎の命を救ってくれた上、あろうことか彼に恋してしまった強面で美丈夫な騎士団長アレシュに対してさえも、容赦なく炸裂! 2人とも大真面目なのにどこか両者のピントがずれており、互いに性質の異なるツンデレをかまし合い、相手への文句タラタラ→痴話喧嘩→仲直りコースが笑えます。そんな2人がとっても可愛い。2人が触れ合うシーンは概ねライトでコミカル。文章は軽快にしてユーモアがあり読みやすいです。
  • 忍ぶ恋ほど -好きすぎる旦那さまに溺愛されてます?-【電子限定漫画付き】

    鶴来いちろ

    少し、じらし過ぎな気もしますが、でも…😉
    ネタバレ
    2023年3月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 現時点で購入可能な単行本3巻読了後の感想です。忍びの頭領の器ながらも若干コミュ障気味の夫と、忍びとしての才能はイマイチながら天然で力持ちの妻という主人公cpが可愛く微笑ましい。そんな2人の馴れ初めから、まだまだぎくしゃくしながらも仲睦まじさを深めていく新婚生活を描く1巻はとても面白かったです。しかし、夫婦がお互いの両片思いに気づかず悶々としたまま3巻目も終わる…というのは、少しじらしすぎでは? 話が進むにつれ舞台が広がり登場人物も増えていく一方で、肝心の主人公の問題はどんどん先延ばしにされてしまう「人気作品あるある」の気配を感じ始めていました。しかし、3巻の終わりで2人の関係が進展しそうな気配もあるので、4巻での展開を期待して、星4.5で。主人公cpが愛し合う夫婦という、ありそうで意外とないほのぼのとしたお話である点と、時代考証を「なんちゃって時代劇」で済ませていない点も好印象。
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  • コオリオニ

    梶本レイカ

    当分他のBLは読めない。衝撃的すぎて…。
    2023年2月12日
    BLのくくりには収まりきらない作品です。確かに男同士の行為はありますが、肉欲とエゴのために貪り合っているようにしか見えず、エロくはあってもロマンチックには程遠い。行為中のまなざしの描写ひとつとっても、互いに相手をどう陥れるかを考えているのでは?と勘ぐってしまい、BLのLが本当にあるのかが最後まで読めない。893とそれを取り締まるべき警察が、社会の最底辺で自己の利益だけを求めて絡み合い騙し合い殺し合う、人間の裏側だけを見せつけてくる作品です。見事なほど善人が出てこない。かと言って「ピカレスク」と言うほど洗練されてはおらず、その鈍重さがかえって心にグサグサと突き刺さってきます。作画は、青年漫画の領域ではないかと思うほどドギツい。実話が基ということもあり警察内部の腐食の構造がリアルなのに加え、リミッターが外れてしまった人間の恐ろしさがハンパない。ここに書いたら弾かれてしまう漢字犯罪の具体例オンパレードです。差別問題や、ソシオパス・サイコパスなどの反社会性人格障害で社会から弾かれる悲惨さも描かれます。自分を「異常者」と自覚し、必死に通常の社会にしがみつこうとするも堕ちていく主人公の鬼気迫る描写に、作者様の感性と力量の凄さを感じました。脱稿後の作者様の心身の健康を心配してしまったくらいです。それだけに、番外編のすっ飛んだ明るさが逆に恐ろしかった。これは現実かそれとも夢幻か…?以上のように激烈すぎて読む人を選ぶ作品です。BLが主たるテーマなのではなく、この物語を述べる上で必要なピースのひとつにBLの要素があるにすぎない、と捉えた方がいいのかもしれません。しかしもし読めたのなら、読んだ方の心に強い爪跡を残す作品であることは確かです。
  • 蛇と星屑

    秋生ちゃけ

    せっかくの異能、もっと発揮して欲しかった
    2023年2月2日
    cp2人のキャラ設定は魅力的。スリリングな状況の中で2人が興味を持ち合っていく前半はとても面白かったです。ただ後半になるとHシーンが格段に増え、せっかくの佐々木の異能がほぼ平田の恋心を読むことにしか使われなくなるのが惜しい、と感じました。最初のサスペンス的な不穏さ、ダークさに惹かれたので、佐々木の異能発揮という状況設定にもっと焦点を当てて話を盛り上げ、2人が愛し合うシーンはここぞという場面のみに集中して際立たせてくれた方が、より面白くなったのではと思います。もっともそれはあくまで私の個人的嗜好で、2人の愛のシーンがたくさん見たい!という方にとっては十分満足できる作品だと思います。なんと言ってもBLですものね😉。
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  • 俺たちは恋人に向いていない【単行本版】

    弘川コウ

    愛嬌のあるポジティブな小型犬は最強🖤
    2023年1月31日
    黒い大型犬の足元で小型犬がキャンキャン騒いで走り回っているのを、大型犬が「どうしたものか…」と途方に暮れて上から見下ろしている…そんな感じで始まるお話です。この小型犬、もとい晃一がちょっとおバカさんですが、とても愛嬌があってポジティブで、大型犬、もとい熊沢にツンデレ満載の「かまえ❗かまえ❗」攻勢。自分の執着心の強さを自覚する熊沢が、そんな晃一に次第にほだされながらも、晃一のために深入りするのを自制してしまう気持ちが少し怖くも切ない。この作者様、心象の細やかな表現にセンスがあり、晃一のぬいぐるみの変化、思いを通じ合えた後の熊沢の表情(というか後ろ姿😉)、鴨とネギと鍋を背負ってくる晃一などに笑わされたり、うるっとさせられたりしながら、より2人に共感できました。小型犬が望み通り大型犬の腕にくるまれて安らげるまでのおかしくもひたむきな過程を、微笑ましい気持ちで応援してしまう作品です。
  • 白刃と黒牡丹

    ゆくえ萌葱

    定期的に読み返しにきます。好きだな〜。
    2023年1月28日
    cp2人それぞれのキャラクターと関係性がとても好き。憲剛は侠気があり男が惚れる男。個人的には煙草を吸う姿がどれも色っぽくて参りました。刀麻は頭が切れひたすら憲剛に一途。2人は産院から一緒の筋金入りの幼馴染みですが、極道の家の子ゆえに成長と共に周りから疎まれるようになった憲剛の心底には常に「刀麻だけが俺を見捨てなかった」「とーまが居てくれればそれでいい」という揺るぎない思いがあります。1巻では刀麻から憲剛への、2巻では憲剛から刀麻への思いが描かれ、切ない子供時代から連綿と続く二人の繋がりの強さが胸に迫ります。憲剛が刀麻にかけた「頑張ったなあ、お前」という言葉と、番外編で憲剛が刀麻へ「くれてやる」ものにはジンとさせられました。37歳という大人設定もいい。あと、舎弟の伴田クンが可愛く、何気にいい仕事をしています😄。
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  • 似てない僕らのままで続く【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】

    あまさわ蟹

    タイトルが秀逸👍
    ネタバレ
    2023年1月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 中学時代は接点の無かった同級生同士が、ひょんなことから同居するお話です。性格は正反対ともいえる二人ですが、互いに思いやりと誠意を持って日常のささやかな出来事に対処し、相手への理解と好意を深めていきます。片方がゲイなこともあり、二人もそうなるような気配はありつつも…タイトルがその後の二人を暗示しているようです。一応BLのくくりに入るのでしょうが、その"L"は常に恋愛感情ではなくてもいいのではないか、友達以上恋人未満の好意でも十分幸せな場合だってあるのではないかと考えさせられます。通常BL作品だとHシーンが無いと物足りない場合が多いでしょうが、本作品はそれが無くても読後は穏やかな多幸感に満たされます。今後どちらに転んでも、二人の幸せな日々が「続く」のであればそれでいいのだと思える作品です。二人の今後のお話を期待する声もあるようですが、私はこれで終わりで十分満足できました。
  • 「間の楔」番外編『Musk』【電子限定版】

    吉原理恵子

    本編を読んでいなくても楽しめます
    2023年1月18日
    「番外編」だけでは本編の持つ壮大な世界観の細部までは理解しにくいにしろ、その世界観のおぼろげな姿や雰囲気は味わうことができ、十分楽しめると思います。絶対的ヒエラルキーの中で最上位に属するイアソンと最下位に属するリキとの、「純粋な愛」とは異なる、しかしお互いを求め合わずにはいられない関係性が、この短いお話の中にも凝縮されています。もちろん本編を読んだ方なら、アクシデントにより本編とはまた違った面を見せてくれる二人に尚一層惹きこまれるのは必定です。他の方も書かれていましたが、これを機に存在する他の「番外編」もどんどん電子化されることを願ってやみません。
  • 赤松とクロ

    鮎川ハル

    広島弁であんな風に口説かれたらそりゃもう
    2023年1月15日
    鮎川先生の世界は、普通の人の日常を優しい視線で淡々と描いた作品が多いのですが、この作品もそう。広島弁が魅力的な天パの赤松と、黒髪で少し印象きつめだけど実はナイーブなクロが、大学でゆっくりと愛を育んでいく物語です。素朴でやや大雑把だけれど、包容力があり意外と細やかな心配りも見せる赤松に、クロが惚れるの、わかるわあ。クロ、新幹線では嬉しかったねぇ…。二人の会話は時に微笑ましく、時にいじらしく、読んでいて癒されます。独特の絵柄も好きです。
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  • 主治医の采配

    水無月さらら/小山田あみ

    ストーリー的には面白かったけれど…
    ネタバレ
    2023年1月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ よくあるアラブBLと異なり、王族と拉致された邦人男性が最終的にハピエン、とはなりません。タイトル通り、逃れた男とその主治医が紡ぐ回復過程が話の中心です。個人的にはその方が興味深かったし、話の筋も面白かったです。ただ、囚われている時の事柄は男が断片的に思い出すエピソードのみで、その世界観に没入していると、いきなり話が現在に戻り「え、この話はこれで終わり?」のお預け状態が連続し、不完全燃焼感が半端なかったです。私的には、拉致されてから全てを諦めるまでの彼の心情の変化や、囚われの日々のルーティン等、短くても一通り触れてから本筋に入って欲しかったかな。拉致されて面食らっている場面の次は、もう既に性奴生活を受け入れてしまっている場面で、当初の彼の混乱や絶望があまり描かれておらず、ここがもっと書き込まれていれば、その後の彼の虚無感や希死願望、更には主治医と共に人生を再生させていく過程がより際立ち共感もできたのに、と惜しく思いました。加えて脚の障がいに関わる彼の選択の理由も、私にはよく理解できず。というわけで総論的には話は面白かったのですが、各論的には話の構成や内容の一部への違和感が思いのほか強かったので星3つで。個人的な嗜好で評価を下げてごめんなさい。
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  • そんなに言うなら抱いてやる【単行本版】

    にやま

    なんと言ってもキャラクターが魅力的!
    2023年1月6日
    そこそこ自分に自信があって、なんとも憎めない愛嬌のある男2人が、互いに相手を落としてマウントを取ってやろうと躍起になるものの、次第に本気で相手(と相手のカラダ)を好きになっていくお話です。そんな2人のわちゃわちゃエピソードがきめ細かく描かれ、2人の気持ちや言動のみならず周囲の反応も可愛くておかしくて目が離せません!あと、常日頃から表情の豊かさが魅力のヒカルンですが、特にあの時のヒカルンのエロ顔は、ニンニンのみならず読み手もドキンとすること請け合いです。
  • 病める時も、健やかなる時も、【コミックシーモア限定特典付き】

    野良おばけ

    「愛」だけでは済まない男同士のリアル
    ネタバレ
    2023年1月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 個性的な作画に抵抗を感じる方もいるようですが、それを置いても一読の価値ある作品と思います。男同士が結婚に限りなく近い関係を持ちたいと願うとき、何を考え、どういう行動をとるか、がリアルに描かれています。主人公cpは、普通の男女の結婚だったら問題にすらならない事柄に悩まされ、互いに相手を思いやりながらも今ひとつ歩調の合わない相手とのズレにぶつかり合います。サスペンスでもないのに「緊急連絡先」とか「死亡保険金受取人」などと言う超リアルな言葉が飛び交います。これがとても切ない。人として、大切な相手と死ぬまで無事に添い遂げたいと素朴に望むだけなのに、男同士だというだけで、家族を含む世間も、法も、社会制度も概ね冷たく、そのこと自体が彼らの争う原因になってしまう悪循環がとても切ないです。それだけに、何とか2人が同じ着地点に落ち着いた後に交わされる愛の場面では、エロさというより優しい安堵感を覚えました。台詞のひとつひとつも何気に深く、読後は映画のような印象の残る作品です。
  • シュガードラッグ 【電子限定特典付き】

    頼長

    今までにない世界観!
    2022年12月31日
    ちょっと、今まで読んだことのない世界観。非常にアカデミック。でありながら、世俗の人間の感情の交錯が複雑で面白い。理屈っぽいのが苦手でない方にはぜひお勧めします。
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  • 孤狼のSubは王に愛され跪く

    ゆなな/秋久テオ

    ちょっとご都合主義すぎる気が…
    ネタバレ
    2022年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 試し読みの、王様気質のαと鼻っ柱の強いΩの攻防部分はとてもそそられました。しかし、どちらか(特にΩ)が窮地に陥った時の助かり方が、毎度毎度ご都合主義的すぎるように思えました。しかも黄門様の印籠の如く、かなりの窮地が「αのグレアの強さ」で呆気なく解決されてしまい…。後半はとにかく甘々描写が続くので、まさかこれで終わるのかと思っていたら、最後にもう一度進展がありますが、これもやっぱりご都合主義的に見えてしまいました。溺愛系がお好きな方には問題ないと思います。でも、αβΩ世界観の中であっても、それなりの背景、リアルさ、深さを求めてしまう私には、ちょっと物足りなかったような。そういう意味では私の目算違いでした。評価を下げてごめんなさい。
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  • 月影

    SHOOWA

    表題作と続編だけなら星5!
    2022年12月3日
    ずっと気になっていた作品。表題作とその続編のみ欲しかったのですが、他3作が入り、全195頁中表題作と続編は計81頁の本巻を、値下げとクーポンを併用して約半額で購入。表題作と続編は、第二次大戦前後という時代と、混血児という出自に翻弄されながらも、人を愛しかつ愛され、夢を見失わずに懸命に生き抜いた清人の人生を描いたものです。続編はやや駆け足の感がありますが、薄幸な少年の生き様が哀切な叙情を漂わせながら淡々と描かれており、読後感は小説か、映画を観たような感傷に捉われます。続編のラストシーンが、清人の万感の想いは結局そこへ帰っていくのかと、とても印象的なものでした。この2作だけなら星5。全く趣きの異なるギャグテイストの話を、表題作と続編のあいだに挟むという理解に苦しむ編集にマイナス1。続編をもっと長く、より掘り下げて描いて一巻にして欲しかったな。
  • プチミニョン -獣人おめがばーす-

    羽純ハナ

    ひたすらモフモフを愛でる作品
    2022年11月15日
    「レムナント」のスピンアウトで、獣人αジュダと孤児Ωダートの双子の息子ヒューゴとシャイアの物語です。一応BLのくくりで、ジュダートの愛を交わすシーンもありますがアクセント程度。ほとんどは双子の育児・成長エピソードで、このモフモフ双子の愛らしさをひたすら愛でる作品です。あれだけヒリヒリする関係だったジュダートが、ここでは当たり前にやんちゃな双子の躾に手を焼く両親なのも微笑ましい。できれば本編「レムナント」読了後の方が理解しやすいですが、読んでいなくても双子の可愛さは堪能できます。育ち盛りの元気な双子の可愛さに癒され、今後の成長過程も見てみたいと思わされるほのぼの作品です。双子の衣装デザインも何気にステキ。
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  • 囀る鳥は羽ばたかない

    ヨネダコウ

    福山雅治をも魅了した作品
    2022年11月13日
    BLに興味を持った福山雅治に「これならありだ」と言わしめた作品。ヤ◯ザBLは数多あれど、ここまで闇社会を深くシリアスに描いた作品は少なく、血で血を洗う権力抗争の凄みは男性読者の心まで捉えます。性的に辛い過去を持つ男同士2人が、この闇社会の中で惹かれ合いながらも、それぞれの過去や周囲の状況に翻弄される物語です。主人公の八代は、辛い過去に繋がる本当の自分の思いを知ることを恐れ、表面的には軽薄な男を演じていますが、忠実で献身的愛情を捧げてくる部下・百目鬼に惹かれる自分に戸惑い、ある手段を取るに至ります。この八代がエロい。デスクに軽く腰かける姿や、ヤンキー座りでタバコを持つ姿など、日常の些細な仕草さえも本当にエロい。Hシーンに至ってはそりゃもう…。作者様の画力にはほとほと感心します。背景がしっかり作り込まれているからこそ、2人のどうしようもない切なさが際立ち、物語にグングン惹きこまれていきます。この感動をぜひあなたもどうぞ。
  • FRAGILE【イラスト入り】

    木原音瀬/高緒拾

    最後の最後まで予測不能
    2022年11月13日
    相当グロいです。正直言うと私も「読んだ」というより「かすった」程度で逃げてしまった箇所があります。繊細な神経の方にはあまりお勧めできない点で、本当に残念ですが星マイナス1で。そして攻め・受け共に人としてはクズです。共感できる点はほぼ無し。そんな両者の相容れない感情と行動は極端な形で交錯し、激しくもつれ絡まりながら最後まで突っ走ります。表面的には穏やかな場面でも、水面下ではおどろおどろしい何かが密かにうごめいているような気配が濃厚に漂い、読み手は異様な緊迫感を強いられ続けます。最後の最後まで、作者がこの物語をどう着地させるのか凡人には想像がつきません。最後に「そうきたか!」と満足して読了するまで、読み手をドキドキさせ通す作者様の物語の構成力に脱帽です。
  • プリンス・ノワール【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    りーるー

    影の主人公は勝瀬か⁉続編希望❗
    ネタバレ
    2022年11月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ヤ◯ザ社会を背景としたBL版主従・三角関係のストーリーで、作画も甘くなくテーマに合っています。主人公cp2人の心理描写はとても丁寧で良いのですが、背景のヤ◯ザ社会の描き方がどうにも薄く、もうちょっと触れた方がお話の説得力が増したのでは? 加えて中盤までは読んでいてワクワクするのですが、終盤あまりにも呆気なく終わり過ぎて、読み手としては「え、これで終わり?この盛り上がった気分はどこへ持っていけば?」と、少し物足りない気分にさせられました。勝瀬に支えられた工が真の組長「おろち」になっていく過程を、文字だけではなく画で見たかったな。というわけで激しく続編希望❗そして工と黒田の双方に取り合いされて色々されちゃう不憫な勝瀬こそ、BL的には影の主人公なのかもしれません。Hシーンはロマンチックとは言い難いけれど、切なくエロいです。
  • ブルースカイコンプレックス

    市川けい

    少し、伸ばし過ぎかな…
    ネタバレ
    2022年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校生時代は文句なく面白かったです。高校生モノにありがちなワチャワチャした感じではなく、2人が誤解し合いながら手探りで少しずつ距離を縮め、お互いの気持ちを確かめ合っていく過程が丁寧に描かれ、どちらかというと静的で落ち着いた絵柄にあいまって、惹きこまれました。大学に入っても、家庭教師のトラブルでチカが教え子に対峙したシーンでは、日頃あまり内心を口にしないチカの夏生に対する強い思いや、2人の間に無理矢理入り込もうとする者への容赦ない姿勢が強い印象を残しました。でも大学入学後は人間関係が広まったり、夏生の留学もあったりして、登場人物や舞台が広がりすぎたり、主人公2人の人物造形も最初と少し違ってきたり(特にチカ)、全体的に散漫で求心力に欠ける印象になってきた気がします。人気作品なので続刊希望も多いのかもしれませんが、あまり話を引き伸ばさずキリの良い所で終わらせた方が、結果的に内容は引き締まり、作品としての評価も高まるのではないかと思いました。上から目線な物言いでごめんなさい。
  • ショタおに

    中山幸

    とにかくかわいい😄
    2022年10月30日
    こういうショタものって、とにかくショタくんが可愛いかどうかで面白さや説得力が決まってしまうように思います。そして本作品の椿くんももちろん可愛い。顔が可愛いのはお約束ですが、これくらいの年齢特有の可愛さ、つまり初歩的な恋愛感情は意識できても、それ以外は本人がどう頑張ってもまだまだ子供というアンバランスさ加減が、大人から見た時にとても可愛らしく、ときに危うく見えて、それがまた魅力的なのだと思います。椿くんもまさしくその通りで、とても微笑ましく読めました。この感じでラストまで行くのか、それとも椿くんがより成長する話になるのか、その伸びしろ分を考えて、星4つで。
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  • ずるい男に拾われました【電子限定漫画付き】

    うすいしっぽ

    はあ〜、笑った笑った❗BL界の銀さ◯降臨?
    2022年10月30日
    BLに求めるものって人それぞれでしょうが…これ程はっちゃけて笑える作品は多くないと思います。コメディーを通り越してもはやギャグの域かと(ちなみに褒めてます)。画も綺麗だし主人公2人もイケメンです。恋の駆け引きやHシーンもあるんですよ。ちゃんと。だけどさー、主人公の1人は限りなくニートに近いお調子者の大酒飲み設定(どことなく『銀◯』の坂田銀◯を彷彿とさせる)、濃すぎる脇キャラ達の存在感、「まず清潔な尻を用意します」なんてセリフの連発に、萌えるより先に笑ってしまいます。ギャグのセンスとテンポの良さが秀逸。作者様はノリノリで描いたのかなあ(知らんけど)。というわけで、良かったらあなたもどうぞ😉。落ち込んだ時には特効薬にもなりそう。
  • 夜明けの唄

    ユノイチカ

    北欧民話のようなファンタジー
    2022年10月30日
    画が綺麗。どことなく北欧・スカンジナビア的な衣装デザインも美しい。海の怪物から民を守っているのに、なぜかその民から疎まれる、孤独で年を取らない覡様(かんなぎさま)のエルヴァと、幼い頃から彼を恋い慕い年を重ねてきた青年アルト。アルトは健気な大型ワンコで、エルヴァは見た目は少年ながらなかなか肝の座った、さすが歴戦の勇士です。いかにもありそうな民話的社会背景や覡様という制度などがしっかり構築されているので、話に説得力がありズンズン惹きこまれます。覡様としての宿命に抗い、悩み、愛を紡いでいく2人に奇跡が訪れ、ハピエンとなることを祈らずにはいられない作品です。
  • 大奥

    よしながふみ

    拠り所となった小説への極上のオマージュ
    2022年10月11日
    紙版で読みました。作品の原典とも言える吉屋信子の小説「徳川の夫人たち」を先に読了していたのですが、単に小説を男女逆転させたのではなく、創作部分をふんだんに織り込みながら、その状況や登場人物の喜び、悩み、葛藤を読者に納得させ、最後まで惹きつけ通す作者様の画力・知力に敬服します。特に前半部分の中心人物である有功は、小説での完璧なる女性のお万の方より、煩悩に苦しむ人間らしさが細かく描写され、感情移入できました。もし吉屋信子が生前にこの作品を読めたなら、自分の小説への極上のオマージュと受け取り、すごく喜んだかも、と思ったりもしました。歴史に興味のある方はもちろん、ない方でも一種の異世界ドラマとしても楽しめると思います。この壮大な世界観に触れてみることを、ぜひお勧めします。
  • 善次くんお借りします

    玉川しぇんな

    うーん…
    2022年9月29日
    良いお話だとは思いましたが、最後まで善次くんに感情移入できないまま終わってしまいました。cp2人がずーっと悩み続けていたような印象。心の動きは細かく描いて欲しいけれど、そればかりだと読んでいて疲れます。翼くんの存在に救われました。「一輪の花、襲ったんすか⁉」笑。私的には、こういう小さな息抜き場面がもう少しあると緩急もつき良かったかな。あくまで相性とか好みの問題ですね。高評価作品なのに評価を下げて、ごめんなさい。
  • 鯛代くん、君ってやつは。

    ヤマダ

    テンポとキレが良い
    2022年9月29日
    画が綺麗で、主人公2人もとても可愛い。蛯原くんは名前のとおりぷりっぷりに元気で小気味良い。鯛代くんは最初は緊張すると引きつって恐ろしい顔になってしまうのがご愛嬌の陰キャだったのが、話が進むにつれ少しシャイな二枚目キャラに変貌していきました。蛯原一途な性格は変わっていませんが、初期設定キャラがちょっぴり恋しいかな。この作品はとにかくキャラが立っていて、脇役に至るまで生き生きと動き話を盛り上げます。作者さんのユーモアセンスも光るしテンポとキレも良く、読者を飽きさせません。ただ楽しいだけではなく、攻防しながらも少しずつ間を詰め、深まっていく2人のシーンはなかなかエロいのも素敵です。
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  • トンでもない俺のα【単行本版】【コミックシーモア限定特典付き】

    藤咲もえ

    ブタさんが相手で〜す‼
    2022年9月29日
    冒頭からすぐのこの台詞で爆笑します。どちらかと言うとシャープな印象の絵柄と、BLではなかなか出てこないであろう「ブタ」(太った子をおとしめているのではなく、本当に本物の動物の「豚」)のギャップ。さらに人間化したときのハンサムぶりとのギャップ。この作者さんならではのユーモアも炸裂し、読後感は爽快なほど。あ、Hシーンもとてもエロいです。2巻は1巻の攻の子ブタくんのママのお話ですが、こちらも1巻に負けずに面白いですよ。
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  • タカラのびいどろ[コミックス版]

    鈴丸みんた

    たいちゃんの瞳が…綺麗✨😍
    2022年9月29日
    とにかくたいちゃんが可愛い❗ 画の美しさ、特にたいちゃんの瞳が本当に綺麗に描かれており、それなら作品中のあんなこともこんなこともあるでしょうと納得できます。ほわんとしつつも一途なたいちゃんの心理描写はもちろん、真っ直ぐにぶつかってこられて最初は冷たくあしらう宝先輩の心の動きも丁寧に描かれていて、2人の関係がゆっくり深まっていくのが微笑ましい。周りの友達の優しさも印象的な優しいお話。癒されます。
  • レムナント―獣人オメガバース―

    羽純ハナ

    次第に散漫に…
    2022年9月29日
    ケモノさん物はあまり得意ではなかったのですが、この作品はふてぶてしさと健気さを併せ持つ躍動的な主人公が魅力的で、世界観が面白く、絵も好みだったので、続刊を追ってきました。ただ最近は、主人公カップルが安定してしまい中心というより狂言回しのようになり、次第に散漫なストーリーになってきたような印象で、それが少し残念で星ひとつ減かな。ごめんなさい。
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