野ばらの国
」のレビュー

野ばらの国

明智抄

短編集

ネタバレ
2023年4月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「私が世界を愛するように」→人を羨み、虚栄心から嘘にまみれる佐倉。ペットはろくに世話もせず、最後は殺してしまう……。それでも佐倉を助けるペットや苦言を呈す島田のおかげで、佐倉は現実を受け入れられるようになりました。でも、もしもそのまま進んでいたら……?
「メッキ星人の罪」→表向きは優等生ながら鬱屈を抱える絢と一見するとお人好しな郁子。そんな中で絢の死亡。全てを受け入れ飲み込む郁子の強さが凄い。しかし絢には死しかなかったのでしょうか。
「野ばらの国」→酒浸りの父と、壊れた母。さらに用務員の欲望の餌食となる貧乏で不幸な境遇の由美。かわいそうで末恐ろしくて男好きのレッテルを貼られ、家にも学校にも居場所のない日々。いやなものは何もない国、楽しいものだけがある国。そんな国はなくとも最後に由美は新しい環境で新たな一歩を踏み出しました。
「えみちゃんといっしょ」→ユウコの妹は幽霊?!中々グロくてインパクトは強いですが、後味が悪い。
「うちのママは漫画家です」→美々の母は漫画家。素晴らしい漫画を描くために動物を殺したり、父もそんな母に超協力的。ホラー?コメディ?両親怖過ぎでこちらも後味悪し。初出なし。癖強め。
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