可哀想な君は僕だけの甘やかな傷
」のレビュー

可哀想な君は僕だけの甘やかな傷

千野ち

君になら…甘く、美味しくされたい

ネタバレ
2023年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作家さん買い。
絵柄がキレイだなぁ…とは思いつつ前作あまりハマれなかったのですが(読み直します)、今回のケーキバース……
甘々で、かなり可愛い♡
BL初心者の方、ケーキバースデビューに是非!といった作品。
捕食者であるフォークが圧倒的に強かったりエロ剥き出しな悲壮感漂う王道も大大大好物なんですが、本作は優しい世界観のケーキバース。

ケーキが独特なキャラで、グイグイ勝気な誘い受まではいかないんです。振り回しはしますが、そのケーキ具合が凄く良いんですよぉ~~!やんわり色気を醸し出すダウナー系ケーキかな?

高校で一人料理同好会を立ち上げているケーキの蜜里と、その蜜里に気に入られ料理作りに付き合うフォークの葵。
味覚を失ってしまうフォークにとって、唯一甘さや美味しさを感じられるケーキの存在は絶対で魅惑的。
自分がフォークであることで理性を飛ばしケーキを傷付けるのではと考えてしまう葵が優しく、蜜里の前では犯罪抑制の為の鍵付き口輪を着用します。
フォークであることに罪悪感のある葵と、その葵に恐怖でなく求められる喜びのようなものを感じている蜜里。

様々な場面で葵のさりげない優しさに反応する蜜里の表情が……何せ、たまりませ~~~ん。
ちょっとズレた表情なんだけど、むッッッさ可愛い♡
反則じゃない?!何回も超ギュンっっっなります。
葵に甘く、美味しくされたい欲を発動する蜜里が非常に良き!
極上のケーキへの道……果てしなく、エロく甘いいぃぃぃ。

そして何より、
味覚を失うフォークと被食者であるケーキが、料理を通して関わるという設定が斬新だなと思いました。
味覚という、よりによって一番それを求められる場で、味覚がないということを一切マイナスに感じない蜜里という人間。味覚がないことで、美味しいと言ってあげられない。ガッカリさせてしまうと恐れる葵。味覚以外でも料理を楽しむことはできると提示する蜜里。蜜里に選ばれることで、葵はフォークの自分を初めて受け入れることが出来た。
……うん、この2人いいね!可愛いね!ステキだな。んん~~~可愛いしか語彙が出てこんww

途中蜜里が怖い思いをするのですが、サラッと葵に助けられ、ん?とは思いましたが、それ以外は何ら違和感なく幸せな気持ちで読むことができました。
あ~~~可愛いを沢山補給でき、満腹満足な読後感です♡
いいねしたユーザ10人
レビューをシェアしよう!