ぼっちのお作法
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ぼっちのお作法

セキモリ

ナニコレ じわじわくる。

ネタバレ
2023年4月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず設定が面白い。BL、ボーイズ「ラブ」だっつってんのに、登場したのは『他人を必要としない、おひとり様が大好き』 な2人。 お互い「おひとり様」の気楽さ、他人と関わることの面倒さが身に染みてるから 「こいつもか。そうだよな、分かる分かる」って同調からスタートしてる気がするけど、主人公の幅岸は元々 別の人に一途に片恋していた経験もあるから、興味から好意に変化していくのに時間はかからなかったし、とても自然に描かれてたと思う。でも相手の葛谷は、いつも何に対しても興味なさそうな無表情で、過去も特に描かれないし 気持ちの描写も少なくて、何を考えているのか分からない。でもちょっとずつ、本当に少しずつ、幅岸に影響されていって、幅岸に合わせたり譲歩(?)したり、だんだんと「好き」が見えて来る。一般的なページ数なのに、ものすごくじっくり穏やかに順調に、距離が近づいていってるのを感じました。とにかく葛谷が無表情すぎて、イチャラブを期待している人には物足りないかもしれませんが…。2人の間にある、障害となるものが、よくある「ノンケだから」とか「トラウマがあって」とかじゃなくて「一人が一番気楽だから」というのが、めちゃくちゃ新鮮でした。ある意味、一番難解な障害かも。それを乗り越えるまでの過程が、無理矢理感が無く とても自然に感じられました。私がページの隅々まで時間をかけて読むタイプだからかもしれませんが…。本編では最後まで表情の薄い葛谷くんでしたが、描き下ろしでびっくりの豹変🖤 短いけど、めっちゃイチャラブしてます😍 本編をじっくり味わったからこそ、描き下ろしの有難みが~~! こんな2人を見れる日が来るとは!って感動しました。一日で読んだんだけどさ。そのくらい、2人の恋の成就には地道な歩み寄りがあったんです!いやぁ、堪能しました。描き下ろし、マジ感謝です~~!
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