先生の白い噓
」のレビュー

先生の白い噓

鳥飼茜

深くて重くて辛くて、でも読ませる作品!

ネタバレ
2023年4月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 衝撃的な物語の導入。男女平等を謳われる昨今ですが、コレばかりは絶対的な腕力の差、一瞬のうちに奪われていく身体と心。何故抗わないのかと、主人公「美鈴」に歯痒さを感じながらも、洗脳のような体の支配では、自己を肯定することなどできなくなってしまうのかもしれません。
それに対比するように、バイト先のオーナーの奥さんに関係を強要された「新妻くん」も又 心を病んでいた。
担任と生徒としてその事実に触れた時、風や空や空気や、季節の移り変わりでさえ何も感じなかった美鈴の気持ちが動いた。ココの描写、大事な展開でした。結末も、大騒動を描くのではなく、その後・・で、イイ締め方だったと思います。
独特な画風と解釈の作家さま。
2巻終わりに『萩尾望都先生』の2ページにも及ぶ推しのメッセージがあります。何か、視点とか、物事の捉え方などに呼び合うものがあるのかもしれませんね。次作『サターンリターン』も読んでみたくなりました。
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