余韻にひたる





2023年4月5日
美しい、としか言いようがない、とても繊細で愛おしい、かけがえのない友情の物語。1巻の試し読みから引き込まれて、気がついたら最後まで読み終わっていました。幼少期から終わりのない絶望に苛まれていたのにずっと明るく笑っていたマコと、そんなマコの尊厳を護るために人生を賭したミヅキの、ふたりのつよさがとても切ない。女性の弁護士さんの、最後の言葉に救われました。弁護士さんのように、社会の理不尽に怒ってくれる大人ばかりだったら、ふたりはきっと今も一緒にいられたのに。まるで映画を観ているような感覚で、いつまでも余韻に浸っていたい作品です。

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