恋と地獄
」のレビュー

恋と地獄

今井大輔/COMIC ROOM

登場人物の部屋の描写が多くを語ってます。

ネタバレ
2023年4月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 職場が同じ登場人物たちがリレー的にメインをバトンして綴られるユニークな構成から始まる最初の2話は、復習するのは女性たち。その次は地獄に落ちるのが女性。そしてエピソード4は今のところ前出の登場人物たちとの関連は不明だけど、再び非情で危ない男性と過去に食い物にされていた女性の物語が始まった。

最初のエピソードから結構な修羅場の連続だけど、悲惨な結果に終わる方と対する方、それぞれの側にそこに至る理由や行動があり、単純な復讐劇でないところが深い。

面白いなと思うのは、登場人物たちの部屋の描写がキャラクターたちの生活環境や性格、エピソードの背景にあるものを語っていること。化粧品がぎっしり詰まったテーブルの箱なんかは、持ち主の自信の無さ、刹那で表面的な幸せを求める傾向をうまく表していると感じた。
作家さんの別作品、他人の部屋を渡り歩きながら生活する「ヒル」でも丁寧に描かれている。

今進行中のエピソードはハッピーエンドにはならないだろうけど、救いのある終わりを期待したい気持ち。エピソード2のように、救われる人の裏側にどん底が待ち受けるのも真実なんだけど。



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