0パーセントの花束【電子版限定特典付き】
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0パーセントの花束【電子版限定特典付き】

三上志乃

優しいお話。目頭が熱く…

ネタバレ
2023年4月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●タイトルの意味、あとがきで作者さんが綴って下さってるのですが、正直なところ私にはちゃんと理解できてないと思います…すみません(涙)巴から南雲への“お祝い”の花束。選んだ花、選ばなかった花、それぞれの花言葉を見ると…「本当に伝えたかった気持ちは1%も込めなかった」っていうことなのかな…
●「誰も自分を愛してくれない」幼い巴が、突然家にやってきた“世話係”南雲にすがる。何も(感情さえも)持ってなかった少年南雲は、巴に心を揺さぶられる。「出会わなければよかった」なんて冒頭にあるけど、そんなことない。出会わなきゃいけなかった!二人で一生懸命生きてきた。一緒にいたからそれができた。
●巴の気持ちは多分バレバレなんだけど、頑張って隠してる。南雲は飄々としてるけど、全てを巴に捧げていて。なのに、二人は引き裂かれる。巴は諦めてるのです。自分のそばにいない方が南雲は幸せなんだから…って考えるのです。だから精一杯の笑顔で送り出そうと、花束を作るんですね…
●二人の表情のひとつひとつがとても印象的で、ぐっときます。涙のシーンがとても多いですが、にじむ涙も流れる涙ももらい泣きしそうでした。南雲が、一度だけ流す涙は強烈です。巴の南雲への気持ちが分かりやすく描かれている分、この涙は、南雲もまたどれだけ巴を必要としてたかを読者にも巴にも痛いほど分からせるものでした。
●お互いのことをとてもとても大切に思ってるのがじわじわと伝わってくる、優しいお話でした。お父さんお兄さんとも少しずつ歩み寄ってくれたらいいな…と思います。
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