このレビューはネタバレを含みます▼
覇気のない教師•青柳哲二のもとに秘密基地への招待状が届きます。それは哲二と幼馴染の光太だけしか知らないことで、驚き怪しんだ哲二はその秘密基地を訪ねてみます。そこには光太が思い描いていた通りの秘密基地があり、見知らぬ青年が哲二を迎えるのでした。「何故知っているのか?」「君は誰なのか?」青年は自分を愛人にしてくれたら教えてあげると嘯きます。幼い頃から身体が弱かった光太、そのたった一人の友達だった哲二にとって光太は告げることも無く終わった初恋の相手でした。瞬と名乗る青年の目的を知ろうと哲二は秘密基地をに頻繁に訪れるようになります。瞬はなかなか目的を明かしませんが悪意は無く、秘密基地はとても居心地が良いのでした。やがて哲二は瞬自身のことが気になってきます。所在無く生きる教師と断ち切られてしまった10年前の初恋、愛人志望の一途な青年が不思議な縁で繋がれてゆく、ちょっと切なくてふんわり甘いお話です。