彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~
」のレビュー

彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~

六青みつみ/葛西リカコ

生来の気質と潔さが聖なる獣との絆を呼び

ネタバレ
2023年4月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私の持っている本は、2014年11月発行の第2刷のものです。初版から5か月で増刷されています。
この小説は、話の面白さもありますが、表紙を飾る葛西リカコ先生の絵が美麗で人目を引いた故に購入者が増えたと考えています。幻想世界も現代もイラストの美しさで葛西リカコ先生の右に出る人はいないと言えます。
この物語は半ばまで、主人公のキースがそれと知らず見つけた聖獣の卵と暮らして、孵化した聖獣を苦心しながら育て、金儲けのためにその聖獣を捕らえようとする邑人から逃げて断崖絶壁から聖獣と共に飛び降りて、雪の中を聖獣の食べ物である蜜や果物や花を探して移動する話に終始します。
そして、ある町で魔物に襲われたことで、聖獣フェンリルが本来の役割に覚醒してキースと共に魔物と戦いますが、キースが深手を負ってしまいます。その時に聖獣の仲間たちと会うことになります。
後半は、帝都で聖獣やインペリアルの騎士たちとの交流で己を自覚して人間味を増していくキースとキースへの独占欲が高じていくフェンリルの話です。フェンリルと同じ聖獣幼年學院に通う幼獣たちとのふれあいと会話が楽しいです。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!