ライオンハーツ【単行本版】
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ライオンハーツ【単行本版】

三田織

可愛くて切ない

ネタバレ
2023年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きな作家様買い。Web連載で最後まで読んでいましたが、新刊にも使えるクーポンで即買いしました。現在僕らの食卓がドラマ化されていますが、その優しい路線を受け継いだ男子高校生のお話しです。先生のお人柄なのかとても優しい世界健在です。だけど外からの防ぎようのない偏見や噂に逃げたり閉じこもったり主人公の獅子丸は翻弄されます。今までずっと考えないようにしてきたことに真っ正面から向き合わなくちゃいけなくなって逃げてもがいて苦しみます。切ないです。でもそれ以上に礼央の気持ちを考えると獅子丸頑張れ!礼央を一人にするなー!って泣きたくなります。そういう困難を一人なら逃げるしかないけど、閉じ込もって聞かないふりするしかないけど、二人なら頑張れる、頑張りたいって歩き出すまでのお話しです。終始優しい世界なんだけど切なくて泣けてくる場面が何度もあります。礼央のお友達のゆかりんはとても正しい。正しいことを貫くには勇気がいる。弱虫なライオンが勇者になるまでを切ないだけじゃなくてキュンキュンしたり、ドキドキワクワクハラハラしたりしながら応援できます。細かいエピソードは読んでみてのお楽しみなんですが、獅子丸と礼央、どちらも初恋なのが愛おしいです。自分はおかしいのかな、誰でもいいから女の子と付き合ってみようかな、なんてありがちな道の踏み外し方しません。ただただずぅっと好きだった二人が気持ちを確かめあってこれからも一緒にいるって決心するまでのあれやこれやが宝石箱のように詰め込まれた作品です。一人でも多くの方に(BL好きじゃない方にも)是非読んで頂きたいです。描き下ろしは少なめですが大満足の一冊です。
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