このレビューはネタバレを含みます▼
人狼族の次期領主の弟 ツバル×流浪の草木薬師 セイジ
山の中で人狼族の子供(ヨル、ツバルの弟)を助けたセイジは礼がしたいとツバルに言われ、人狼族の住処へ招待されます。その後、セイジはツバルを含めた4人で薬草を探す旅に出てツバルとの距離が縮まって...というお話でした。
BL小説ってわりとスピーディに展開していくものが多いように思いますが、こちらはゆっくり。小さいエピソードがいくつもあって楽しめる反面、細切れでまどろっこしい感じがしました。1番よかったところは恋を知らない2人が自分の気持ちをもて余してわたわたするところ、初心者×初心者の行為がぎこちなくて和むというか、萌えるというか。
薬師の仕事が植物を健やかにすることなど多岐に渡っていて超能力者みたいなところがありました。セイジの出生についても明らかにされていき、ボリュームはかなりあります。すごくいいところが多かったのですが、ちょっと一冊に詰め込みすぎた感じがしました。人狼狩りをする領主カイナダが片目になったときのことはもう少し書いていただきたかったです。
作者様のサイトでは番外編が公開されています。
2020年2月 総480ページ 挿絵あり