はにかみを解け
」のレビュー

はにかみを解け

桂馬びんぞこ

二人はこれでいい

ネタバレ
2023年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 理事長からの要請でアメフト部のエース・神鷹の勉強を見ることになった生徒会長の聡海。1位になること、人から頼られることに誇りと喜びを見出だすタイプで神鷹への最初の語りかけとか無礼だなと思い、最初はあまり好きになれなかった。

読み進めていくと、父親からのプレッシャーや周囲の無自覚な偏見と過度な期待に傷付き、疲弊している聡海が見えてきて、ぶっきらぼうだけれど、裏表のない神鷹と過ごす時間が聡海にとってかけがえのない大事なひとときだと伝わってくる。

勉強ばかりしてきた恋愛初心者の聡海が神鷹への気持ちを自覚してからは少しバタバタした感じになり、2巻から登場した後輩の晴太も当て馬なのかモブなのか、立ち位置が中途半端でモヤモヤ感が拭えない。唐突に登場して自然消滅的に退場するなら聡海の幼馴染みという設定は不要だったのでは? と思ってしまい、☆5は付けられなかった。


2巻かけて二人が付き合うようになるまでが描かれ、エロい展開は皆無だけれど、作者さんが言っていたように、高校時代の二人にエロはない方がしっくりくる。
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